竹取物語13
「おっけ、ここまで来ればいいでしょ」
クエストMAPギリギリで近くの駅にも近い地点。何度かのテレポートを繰り返して真司は静音とここまで移動した。
「こんな便利なスキルあるんなら最初から使いなさいよね」
真司に握られてた手を片方の手で隠しながら、憎まれ口をたたく。
「スキル制限のせいで使えなかったんだよ」
「ふうん・・・そう。とりあえず・・・」
静音は銃をとりだして、無人となっていた洋服店のディスプレイを打ち抜いた。
「何してんの!?」
「クエストMAP消えたら装備もなくなっちゃうのよ。私に裸でいろっていうの?」
「裸ってほど裸じゃないでしょうが・・・」
「でも嫌なの!肌出まくりでしょ!」
「そうね、もうお好きにどうぞ」
「ほら、あんたも。このピンクなのが似合うんじゃない?」
「そういうのはやめて?!」
「はいはい、じゃあこれ。女性用でもこれくらいのならサイズ合うでしょ」
「どうも」
「柊さんはさ」
「何よ」
「この辺に住んでるの?」
「違うけど、いいでしょ?別に」
「・・・こんな事がまだ続くと思う?」
「どうかしら。クエストをクリアしたのなんて今回が初めてだもの」
「そっか、また同じようなことがあったらどうするつもり?」
「戦うわ」
「でも、それは」
「わかってるわ。今回はあんたのおかげ。そんなこと分かってる。次はまた私一人だもん。それともあんたも手伝ってくれるの?」
「それは・・・」
「即答しなさいよ」
真司を睨みながら、ため息をつく。
「私みたいに戦える人間が増えるのはわかったわ。さっきの四条って人もそうみたいだしね」
「あの人はちょっと・・・」
(なんだったんだろう?あんな敵見たことないけど、魔竜使いなのかな)
「まだ私の気は収まってないわ。何より・・・」
「何より?」
少し間があいて、静音は物騒な笑顔でこう答えた。
「銃撃つの、楽しいもの」
静音の言葉に、真司は苦笑いするしかなかった。
あとがきは、作品自体に需要があるようなら書くことにします。




