段々思考が複雑化していく
「クシュシュキシャーコポコポ」
律儀にも同じ鳴き声で二度目を鳴いてくれた律儀な君。角で待ち伏せしてた君。口が食パンみたいな形状をしている君。その律儀さ、運命、食パン。もし、君と僕。出会うところが違ければ付き合っていたかもしれないね。いや、
「種族的に無理。」
考えた末の結論だ。種族的に無理。ちゃんと声に出して宣言したよ。種族的に無理。
まず言葉が通じないしさ。クシュシュキシャーコポコポにどんな感情が込められてるのか分からないし、もしそれに恋慕が込められていたらそれはそれで軽い絶望だよね。パンドラボックスの9割を占めていたそれだよね。パンドラボックス9クシュシュキシャーコポコポって感じだよね。その先に希望があるかどうかも怪しいよね。目は完全に人を殺し慣れた者のそれだし。なにその鋭い眼光。眼光ジャックナイフなの?意識が高いから片仮名もお手の物だ。
そんなことは言ってられない。エンカウントしてしまった。美少女とは程遠い、種族的にも程遠い、目が異様な発達をしていて、腕や肩幅は細くて餓鬼みたいに腹が出てて、爪が人の命を刈り取る形をしているそれと、エンカウントしてしまった。
ん?相手の足に異様な力みを感じる。筋肉の脈動というか、生命の危機というか。
「コポコポ!!!」
分かったぞ、コポコポってあれだな。殺す、とかそういう意味だな。そんな悠長な構えにも構わず第一撃が来る。