段々戯言が増えていく感じ
洞窟。古の民はそこを住処とし暮らしてきたらしい。そこを一種の拠点とし、狩りをしてその技術を壁に描いて伝達していったらしい。そう考えると幼い子が壁に落書きしたがるのも案外理解しがたいことではない。
この洞窟一面に広がる人ならざる者の爪痕だって理解しがたいことではないが、理解したくはない。
この赤はなんだろうと素手で、指で、掬ったりなんかした数分前の僕を助走を付けて殴りたい気分だ。ついでにガンジーにも目一杯殴ってもらいたい。タコ殴りにしてほしい。いや、しなくていい。数分後僕はタコ殴りどころか八つ裂きかもしれないのだから。
「いやほんとこれどうしよう。」
鼻水が乾いてかぴかぴになって鼻の下が痛いけれどそれを拭うための指先が真っ赤でぬるぬるなのだからどうしようもない。飛車と角に囲まれてる王の気分だ。どちらかというと王にナイフを突き立てられてる感じ。なんかもう直喩的死がふんぞり返ってる感じ。
感じ、感じでいうとこの洞窟はすごく不穏な感じ。今にも暗視可能なように異様発達した双眸を持ったクリーチャー的何某が軽快でポップな音楽と共に馳せ参じ申しそうな感じ。僕的にはその戦闘シーンからは今すぐ逃げおおせたい感じ。クリーチャーの鳴き声はそうだな。
「クシュシュキシャーコポコポ!」
そう、こんな感じ。こんな感じ?エンカウトな感じ?