12
昼休みになった。
「奈々、一緒にご飯食べない?」
明子が声をかけてきた。
珍しい・・・
いや・・・入学したころはいつも一緒だったっけ・・・
「じゃ、ここ座って。」
雄輔はいすを運んできて
明子にすすめた。
「わぁ、レストランみたい♪ありがとう!」
「どういたしまして。お嬢様♪」
最高の笑顔で答える雄輔。
あたしにはあんな笑顔
見せたことはなかったのに・・・
「きゃぁ!お嬢様だってぇ~!」
「いいなぁ、奈々は。
いつもそうやって大事にしてもらってて。」
「雄輔さんといつも一緒だし。
めっちゃうらやましいーーー!」
あたしって、大事にされてたの?
「あ、そうだ、
俺、せっかく毎日学校に来てるから
誰か友達になってくれねー?
メルアド、交換してくれる人いる?」
「はーい!!!」
あっという間にたくさんの手が上がった。
「お嬢様、みんないい子達ばかりですね。
俺、すっげー嬉しいです!」
「あらそう。良かったわね。」
むすっとしながら答えるあたし。
何かおもしろくない。
「雄輔さん、良かったら
おにぎり食べませんか?」
「え?いいの?やったぁー。」
「雄輔のはあるわよ。お弁当。」
あたしは雄輔が持っていたあたしの鞄から
お弁当を2個だした。
「奈々が作ったの?」
「そんなわけないでしょ。」
あたしの否定と被さって
「そんなわけないですよ!
お嬢様に作ってもらうなんて滅相もない。」
なんて雄輔が言った。
お弁当があって、
みんなは何だかガッカリしてる。
「でも、そのおにぎりは食ってもいい?」
って、雄輔はおにぎりをパクリ。
「すげーうめーよ。ありがとう。」
雄輔のスマイル光線に
おにぎりをあげた子は撃沈した・・・