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「雄輔・・・
何で学校に行かなきゃいけないわけ?
家に先生呼んでよ。」
最後の抵抗を試みる。
みんな親切そうな顔して
誰もあたしと仲良くなんてしたくないんだから。
「友達は家にいちゃ出来ないですよ。」
・・・学校でも出来ないけど・・・
「もっとも、お嬢様みたいな事してちゃ
友達は出来ねーと思いますけど。」
はっきり言うわね。
「じゃ、雄輔なら出来るの?」
にっと笑った雄輔は
「当たり前じゃないですか。
友達になって、メルアド交換なんて
今日中に何人だって出来ますよ。」
余裕たっぷりの雄輔。
「じゃ、やって見せてよ。」
「いいですけど、俺の側から
今日は離れないって約束してくれますか?
メルアド交換してる間に
お嬢様に学校から消えられちゃ
俺の職務怠慢になっちまう。」
「いいわよ。」
雄輔のお手並み拝見といきますか。
学校に行くのがほんの少し
楽しみになった。
「おはよー!」
雄輔はニコニコしながら
あたしのクラスの子達に声かける。
「おはよー。奈々んちの執事さん!」
「わ、覚えてくれてたんだ!嬉し―なぁ!」
当たり前じゃん。
男はあんたしかいないんだから・・・
でも・・・いつの間にか
あたしと雄輔の周りには
人だかりが出来ていた。
「さ、一時間目が始まりますよ!
お嬢様方、準備はいいですかぁ?」
「はーい!!!」
何なのよこのノリは・・・・
雄輔って、不思議なやつ・・・