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「俺も昔、同じようなことあったし。
意地張っていいことなんか
何にもないですよ。」
優しく微笑む雄輔。
・・・・・・・・・
そんな風に笑わないでよ。
優しい振りなんてしないで。
「俺もすんげーわがままだし。
だけど、やっぱりみんなと仲良く出来たら
その方が楽しいし。」
そりゃあそう。
でも、今更そんなことできっこない。
「傷つくと、なかなか怖くて
自分から頑張るってのも
普通は出来ないもんですけどね。」
にやっと笑って雄輔が言う。
どうせあたしには無理って顔・・・
「その辺の人と一緒にしないでくれる?
あたしはそんなこと気にしたりしないわ!」
「さっすがお嬢様!
じゃ、明日は平気な顔して学校に行けますね。」
雄輔に乗せられたと気付いたのは
その時だった。
「やっぱり無理なんて言いっこなしですよ。
お嬢様ですものね。
そんな卑怯なこと出来るわけないですよね。
じゃ、明日、お迎えに参ります。
ゆっくりお休みください。」
にっこり笑って雄輔は
あたしの部屋を後にした。
やられた・・・・
翌朝、雄輔の姿を見て
気分が憂鬱になった。
学校・・・つぶれて無くならないかな・・・
「さあ、今日もいい天気です!
元気だしていきましょう!」
・・・・・・
「あんたは、やたら元気ね・・・・」
あたしが言うと
「当たり前じゃないですか!
女子校なんて、滅多にいける所じゃねーし♪」
・・・・・・
バカ・・・