ズガガに跨る男
ズガガ使いと呼ばれるのは魔王軍の中でも抜きん出た実力を持ったものだけです。
強靭で永久の命を持つズガガを物理的にも精神的にも拘束し、思うがままに操るズガガ使い。
ズガガを殺せるのはズガガだけというこの世の法則から、その標的にズガガまで加えて猛威を振るっている部隊です。
ズガガに跨った黒衣の男が声を上げました。
「永久を生きる恐怖よ!引き下がり恐れおののくがいい。我らはお前を滅ぼす力を持つ。我らの前で死に怯え退くがいい」
ズガガは男を見上げるとその目を少し細めました。
それはまるで苦痛の原因を見るような呆れと面倒臭さの入り交じる表情でした。
それはまるでしょうもないことを言い出した子供に頭を抱える大人のようでした。
ズガガは大きく身を起こします。
拘束していた金の魔法がピンと張りました。
まっすぐ天へ首を伸ばすとズガガは大きく声なき声で叫んだのです。
ビリッと静電気のような衝撃をことのんは感じました。
何が怒ったのか分からないことのんは辺りを見回して愕然としました。
剣士さんと魔術師さんが倒れています。
タマ様も地に伏せています。
上空のズガガ部隊は全員ともが耳を押さえ、一般の人の中には気を失った人もいました。