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一番の強さ

繊細なガラス細工を叩き壊したような音が響きました。

魔術師さんの手には無数の裂傷が走ります。

魔法を一方的に破られた反動でした。

地上へ降り立とうと首を伸ばすズガガの下へ剣士さんが滑り込み、突き上げます。

しかしズガガの体毛は硬く剣はその鱗の一枚もはぎ取ることができません。

人間は無力でした。

国一番の剣技も国一番の魔術もズガガの前には児戯も当然に敗れました。

集まっていた民衆の決意はいとも容易くズガガという恐怖で打ち砕かれたかに見えました。

そこに風が一陣吹きすぎました。

風はまっすぐズガガへと向かうと、その無防備な眼球に躍り掛かったのです。

それはタマ様でした。

神に愛された一頭の美猫が牙を剥いたのです。

そしてタマ様に力を与えているのは胸の前で手を組み祈る乙女。

会長様でした。

乙女の口づけがありとあらゆる魔法を解く力を持つように、純粋な思いはそれだけで強い力を持ちます。

ズガガが喉を反らせ鳴きます。

しかしそこに先ほどのような恐怖はありませんでした。

タマ様の一撃が確実に効いたのだと民衆が理解すると、そこは大合唱に包まれました。


「我らが生き様を!」

「我らが意地を!」


民衆の思いは一つになりました。

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