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救世主と脱兎

復活を喜ぶズガガの前で、ことのんはバカみたいに突っ立っていました。

翼の調子を確かめるように何度か羽ばたきしたズガガは、満足げにまた一声大きな声で鳴きました。


「勇者ことのん!あなたは何をやっているんですか!?」


ボンヤリしたことのんを叱咤する声が聞こえてきたのは、ズガガを挟んだ公園の向こう。

世界を狂わす美猫であるタマ様に騎乗した会長様でした。


「逃げますよ。何があってこうなったのかは知りませんが、私たちではどうにもなりません」


いつになくキリッとした会長様がタマ様の背から降りると、ズガガに向かってタマ様は躍り掛かりました。

生理的嫌悪感を起こすようなズガガと、神に愛でられるべき容姿をしたタマ様の対比はまるで神話の一場面のようです。

タマ様がズガガの気を引いている隙に、会長様がことのんの手を引きます。

ことのんはようやく逃げなければと思いました。


「タマ!」


会長様が鋭く声をとばすとタマ様はぱっと反応してズガガから距離をとります。

ゆったりとした動きでタマ様を追っていたズガガは面倒くさそうに首を伸ばしました。

ゴキゴキと骨の鳴る音。

大きく伸びをしたズガガを後に、一目散にことのんと会長様は逃げ出しました。


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