旅は道連れ
複雑な思いを抱えつつ、一路王女様を救うため歩き続けるのは勇者ことのん。
森の中の怪しいお屋敷で出会った執事さんとその主さんに別れを告げて、旅を続けます。
昼なおくらい森の中を、執事さんに貰った地図を片手に歩きます。
広い森の中で途中何度も野宿する羽目になりました。
そろそろ携行食糧も底をつこうという時、ことのんたちは大きな道にたどり着きました。
道の幅は馬車がすれ違えるほどもあり、きちんと整備もされています。
ぽかんとすることのんたちの耳に馬の蹄と馬車のきしみが届きました。
「おや、遭難者かい?」
馬車の上から恰幅のいいおっちゃんが話しかけてきました。
ことのんがコクンと頷くと、豪快に笑い飛ばしてくれました。
行商人をやっているというおっちゃんは目的地が同じだからと、ことのんたちを快く荷台に乗せてくれました。
おっちゃんの隣の御者代に座りことのんは簡単にこれまでのいきさつを話します。
「そうかそうか。ポポロンの町から。大変だったねぇ。この森は昔からよく迷子がでるのさ。んで、怪しいお屋敷に喰われちまうって噂があるんだ。運がいいね、お嬢ちゃんたち」
まさかもうすでに喰われかけていたとはことのんは言えませんでした。
ストックが切れましたので、これから先更新が滞ります。
ゆっくりお待ちください。