良いも悪いも人それぞれ
王女様を救う旅の途中、昼なお暗い森の中で怪しげなお屋敷に泊まった勇者ことのんたち。
ちょっとごたごたがありましたが、美味しそうなお弁当までいただいて、こんな場所からサヨナラです。
「いやー、ありがとうございました!お陰様で我が主も満足されました。これで後二十年は大人しく封印されていらっしゃることでしょう」
にっこにっこと執事さんが挨拶します。
ちゃんとした説明を要求すると機嫌のいい執事さんが教えてくれました。
「あの白い池は我が主の魔力とズガガの体細胞で造られております。意思のない細胞だけならば我が主はご自分の魔力でズガガをコントロールできると考察し、実行なさいました。もちろん実験は概ね成功です。我が主の魔力がズガガの細胞をコントロールできたのです!まあ我が主はズガガとなりましたので我が主だった頃の意識はなく、ひたすら自分自身の封印と暴走を繰り返しておりますがね。勇者殿からいただいた体力と魔力で、封印のほうの意識が後二十年は持つだろうということです」
要約すると、ズガガになった我が主を封印し続けるために体力と魔力が必要だったようです。
我が主の意識がないのならそれは成功なのでしょうか。
ことのんは疑問でした。