黒衣を纏う嘘つきな男
王女を救う旅にでた勇者ことのん達は、金銭問題の解決、つまり金欠に苦しんでいました。
猫探しの依頼を受け教会に探しに来たことのん達はそこで全身真っ黒に統一した男に会いました。
どうやらその男は嘘を言っているようなのです。
「僕が嘘をついてるって?なら、教会の中を好きなだけ探すといいよ。黒猫なんて、いないからさ」
真っ黒な男は自信満々に言いました。
ことのんは地震が来ませんようにと、祈りながらおんぼろ教会に中に足を踏み入れました。
教会の中は以外と明るく、蜘蛛の巣なんかもなく綺麗でした。
あの黒い男が掃除していると思うとちょっと面白いようです。
黒尽くめなあの格好ではさぞかし埃がついて白くなるでしょう。
教会の奥にあるステンドグラスから射し込む光がキラキラしています。
さて、ことのんがボンヤリしている間に剣士さんと魔術師さんが何かを見つけたようです。
ステンドグラスの前に置いてあった大きな台を二人掛かりでどかすと、その下から地下に続く扉が見つかりました。
ことのん達はことのんを先頭にしてその扉をくぐりました。
しかしこの時まだことのんは知らなかったのです。
この先に待っていた現実がどれほど残酷であるのかなんて。