価値は誰にも平等ではない
森の中での一宿の恩は予想外に高いようです。
ぎらぎらと目を輝かせ迫る執事さん。
こちらもいつでも戦えるように構えています。
何が望みだ、と絞り出すような音量で剣士さんが言いました。
執事さんはビシリとこちらを指さし言いました。
「あなた方の体力と魔力、それを我が主に」
聞くやいなや、魔術師さんがことのんの腕を引っ張り前へ連れてきました。
剣士さんが執事さんからなにやら銀のお盆を受け取っています。
頭にハテナが浮かんだことのんにそのお盆を押し付けると、魔術師さんが杖でお盆の縁をなぞりました。
キラリと一瞬お盆が光りました。
そしてお盆の中央に、淡い金色に輝く液体がたまっていきます。
その液体でお盆が満たされるとことのんは強いめまいに襲われました。
立っていることすら辛くお盆を取り落としそうになりましたが、剣士さんがすかさず取り上げます。
お盆はそのまま執事さんの手へ戻りました。
「確かに、いただきましたよ」
執事さんはそう言うと、お盆の中の液体を白い水とそれを覆う魔法陣へとかけました。
じんわりと表面を撫でるように広がった金の液体のおかげか、白い水は元のようにただの池へと戻り、魔法陣も壁へと帰っていったのです。