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恐ろしいもの

森の中のお屋敷で一晩泊まることになったことのん。

通された客間は綺麗でしたが、長いこと使っていないのでしょう。

人の気配のない冷たい部屋でした。

もう時間も遅いので屋敷の主人への挨拶は明日へ伸ばし、備え付けのお風呂に入ります。

ホコホコ湯気を立ててお風呂からことのんが出ると、剣士さんと魔術師さんが小さな声で話していました。

二人はことのんが出てきたのを見ると、ちょいちょいっと手招きをします。

濡れた髪を絞りながら側によると、優しい暖かい風とともに髪がすっかり乾きました。

魔法って便利だな、と、ことのんは思いました。

ぼんやりと余所事を考えていると、剣士さんがことのんの耳を引っ張ります。

ヒソヒソとことのんの耳に押し入れられたのは警戒命令でした。

どうもこのお屋敷に入ったときから不気味な気配が離れないそうです。

魔物かと聞けば剣士さんが否定しました。

そんなものではない、もっと恐ろしいものだ、と。

魔法かと聞けば魔術師さんが否定しました。

そんなものではない、もっと恐ろしいものだ、と。

何か分からない、でも恐ろしい気配。

お風呂で暖まったはずのことのんは、知らぬ間にすっかり湯冷めをしていました。

ハ、クチュン!


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