城下町の小さな依頼
魔王から王女を助けるために旅にでた勇者ことのん。
立派なお城を出発してまず、その城下町で魔王の情報を集めることにしました。
情報は多いほどいいものです。
けれども一つ、問題がありました。
勇者ことのんの所持金は現在三千ギメル。
三人で宿を取れば三日と泊まることのできない金額です。
更に元々お城で働いていた剣士さんや魔術師さんと違い、ことのんは武器は王様に貰いましたが防具なんかはそろえなくてはいけません。
手っ取り早くお金を稼ぐためにことのんは仕事斡旋所へいくことにしました。
仕事斡旋所でことのんと剣士と魔術師の三人パーティで登録し、このパーティでできる仕事を聞いてみました。
まつげバサバサのお姉さんに勧められたのは、城下町のパン屋さんが出した仕事依頼でした。
「いやー、君たちが引き受けてくれるの?ありがとう!うちの黒猫がずっと行方不明になっちゃってさ、探して欲しいんだ。報酬は全額成功報酬になるけどいいね?」
ことのんは笑顔で首を縦に振りました。
実はこの依頼、何度か断られたらしく金額が跳ね上がっていたのです。
その額なんと一万ギメル。
腕のいい魔術師のいることのん達からすれば、これはおいしすぎる仕事でした。
1ギメル=10円位を想定しています。しかし物価が違うのであまりあてにはなりません(笑)