情報屋の秘密
王女様より先に末娘を捜している勇者ことのん。
アンティークショップの兄ちゃんが書いてくれた地図をたどり、噂の情報屋の隠れ家までたどり着きました。
しかし中を覗くともぬけの殻。
ちょっと罪悪感がとがめたものの、勇者ことのんは黙って中にお邪魔しました。
部屋中に散らばったメモ用紙は不思議な記号で書かれており、ことのんでは読むことすらできません。
しょうがないのでゴミ箱から同じような記号の書かれた紙を拾い上げると、ことのんは隠れ家を後にしました。
ほかの人たちの情報も気になるからです。
領主様の屋敷の前にいったん集まると、ことのんは持ってきた紙をみんなに見せました。
すると魔術師さんと馬車のおじいさんが驚いて声を上げたのです。
「これは禁術の一部ではないか!勇者ことのん、これを一体何処で見つけたのだ!?」
とりあえずことのんは聞かれるままに答えました。
「一介の情報屋が?まさか。これは人間では制御できないと言われ封印された魔術の一部なのだ。これを使えば寝ている人間の夢から侵入し、思うがままその記憶を盗み見ることができる。故に『秘めし過去暴く悪夢』と呼ばれているのだ」
どうやら優秀な情報屋の秘密はこれだったようです。