三回戦゛お掃除゛
『メイド&執事コンテスト』の三回戦目は『掃除』です。
それは簡単に作られた部屋のような場所で、掃除のテクニックを見るようです。
掃除の基本は上から下へ、奥から手前です。
ことのんは照明を拭き、はたきをかけ、花瓶の花を差し替え、ベッドメイクをし、足跡を残さないよう気をつけながら床を拭いて部屋から出ます。
こんなに神経使って掃除をしたのは、領主がことのんの宿に泊まったときくらいでしょう。
三人の審査員がその部屋に入り、念入りにチェックをしてポイントが言い渡されます。
ことのんは十二点でした。
減点対象だったのは、本棚の並べ方と花の活け形のセンスでした。
こればっかりはどうしようもないのかもしれません。
末娘さんが見事に活けるのをことのんはちょっと悔しい思いで見ていました。
ともかく、ここまでの種目でことのんの持ち点は四十二点。
二位のメイドさんが三十九点。
三位のメイドさんと執事さんが三十点。
末娘さんが十八点。
なかなかの接戦のためことのんが優勝するためには、最後の種目である『接客』も気を抜くことはできません。
接客相手を選ぶくじ引きにことのんは真剣な面もちで向かいました。
どうか変なものをひきませんように!