二回戦゛お洗濯゛
コンテストの二回戦は『洗濯』です。
渡された服はドレスや毛皮と言ったものから、べったりとソースの付いた子供服まで。
キスマークの付いたワイシャツもあります。
渡されたのは洗濯板とたらい。
ことのんは手早く作業を進めていきました。
まずは服を構成する材料で分類し、汚れの種類で分類し、明らかに水で洗えないダミーをよけていきます。
「勇者ことのん、手つきが慣れてますね」
洗剤を水に溶かし、ことのんのささやかな魔法で温水にします。
汚れの軽いものからザッバザッバと洗っていきました。
しかし二種目連続水仕事言うのは狙っているのでしょうか。
ことのんは宿屋の娘でしたから手のひらの皮が厚いので大丈夫ですが、白魚のようなお嬢様の手は限界に違いありません。
それでも彼女は一生懸命でした。
額に汗してがんばるその姿は貴族のお嬢様らしい気品と、好感の持てるプライドに溢れていました。
ことのんは周りを観察しながらも手は休めません。
ドレスの形を整え毛皮から埃を落とせば終了です。
「早い…なぜ?勇者ことのん一抜け。十五ポイントを差し上げます」
最終的にポイントが多い者が勝者となるため、貯まっていくポイントにことのんはほくそ笑みました。