コンテストとメイド服
途中立ち寄ったポポロンの町で、勇者ことのんは領主が主催する『メイド&執事コンテスト』へ出場することにしました。
もちろん賞金10万ギメルに目がくらんだのです。
コンテストの参加者はことのん含め五人いました。
うち三人は領主の家で働いている本物のメイドさんに執事さん。
一人は来年からお城で侍女をすることになっている領主の末娘さん。
金髪くるくるのお人形さんのような子です。
ことのんは完全にできレースの予感がヒシヒシとしました。
コンテストのため、ことのんもメイド服に袖を通しました。
もちろんフリッフリの実用性皆無のやつです。
丈が短いのでそのきれいな足が太股までばっちり見えています。
ほかの四人の格好はいかにも正統派だったので、ことのんはしっかり浮いています。
いや、目立っています。
悪目立ちですが。
すらりと背の高いことのんは、更にハイヒールなサンダルをはいたので、執事さんの身長を若干超しました。
そのポニーテールも相まってさらに高いです。
「では、第10回メイド&執事コンテストをはじめます。主催はポポロンの領主さんと、『ぬっこぬっこの会』です」
司会の人の声とともに魔法の花火が光りコンテストが始まりました。