転がり落ちた先の馬車強盗
王女様を救いに旅に出たことのんを馬車強盗が襲っています。
剣士さんと魔術師さんの助太刀にいくべきか迷っていたことのんは、何がなんだかわからないまま馬車の外に出てしまっていました。
馬車の中からはものすごい声援が聞こえます。
正直言ってことのんには意味が分かりません。
一体いつの間に馬車から出てしまったのでしょう。
ことのんは取りあえず太股にくくりつけてあったタガーを取り出し、二人の方へいきます。
木々の間からピュンピュンと銃弾が飛んできて、剣士さんがキンキンとどこかへはじきます。
そしてとどめとばかりに、魔術師さんがどんどん魔法で水の固まりを撃っています。
魔法が当たった木がどんどん倒れていくのは気のせいでしょう。
「くそっ、馬車にこんな強い護衛がいるなんて聞いてねえぞ!ひけ!情報屋の野郎を絞めてやる」
弾幕の間からそんな叫びが聞こえてきました。
それと同時に、大きな飴玉サイズのボールがコロコロと、ことのんの足下に転がってきました。
ボールはことのんの足にちょっと触れると激しい光をともない爆発しました。
どうやら照明弾だったようです。
目を灼くようなそのまぶしさに、ことのんは思わずひっくり返ってしまいました。