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罪の溶けてゆく光景

 ズガガにさらわれた一人の乙女。

 救わんとするのは絶世の美貌を持つ猫。

 それを助けるのは傾世の美を誇る魔族と、彼に率いられた人間と魔族の連合軍。

 これ以上の神話がありましょうか。

 身を起こしたズガガの足下で小さく身じろぎした存在。

 うっすらと目を開けた会長様をタマ様が素早く安全な場所まで移動させました。

 チリンと鈴が鳴りました。

 道化が真っ直ぐにズガガを指さします。

 ごらん、悪が倒れる。

 どこからか風が吹きました。

 その風はことのんのポニーテールを揺らし、剣士さんと魔術師さんの髪を揺らし、美形の魔族のマントを揺らし、タマ様の髭を揺らし、ズガガの羽毛を揺らしました。

 それはまるで紅茶に入れた角砂糖が溶ける様に似ていました。

 ズガガを包むつむじ風に溶けるように微かな燐光すらまとって羽根も尾もかすんでいきます。


「ズガガの死はいくつかみたが、その邪悪さに比例するように美しい。このズガガはいったいどれほどの罪を重ねたのか」


 ぽつりと独白した美形の魔族の言葉にタマ様だけが尾を振り返しました。

 ズガガが頭まですっかりと消えてしまうとそのまま風はどこかへ行ってしまい、その場には剣だけが残りました。

 その刀身はボロボロでした。

スペースを加えました。

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