何処かへの逃走と誰かさんの悲鳴
魔王から王女様を救う旅にでた勇者ことのん。
ことのん達が教会の地下で戦った全身黒尽くめの男は、氷と鎖を自在に操る魔術師でした。
魔術師さんが放った炎の魔法は真っ黒の男の魔法を打ち砕きましたが、相殺にとどまり、結局男には届きませんでした。
わざとらしい捨て台詞をはいた男は一度両手をあげると、輝く魔法陣を空中に描きそのままどこかへ逃げてしまいました。
男がいなくなったので、男が操っていた鎖がジャラリと音を立てて落ちました。
ことのんがふと気付くと、縛られていたモンスターも自由になってしまったようです。ことのんは悲鳴を上げました。
ぎゃーぁあ!
モンスターはあっと言う間に剣士さんと魔術師さんの手で塵にかえりました。
すっかり油断していたことのんは、モンスターにざっくりHPを減らされてしまいました。
魔術師さんが檻に魔法をかけると鍵がはずれ、黒猫は自由になりました。
檻からでた黒猫は大きく伸びをすると剣士さんの肩に飛び乗りました。
どうやら黒猫は高いところが好きなようです。
さて、道中色々ありましたがこれで猫探しの依頼は完了です。
ぐったりしたことのんはひっそり思いました。
これで一万ギメルでは割に合わない、と。