光照らしけり 悪夢
『光照らしけり』
輝く太陽を幾ら真似ようとも
その輝きに匹敵する輝きは獲られぬ
闇は目を瞑ればそこに現れ汝を覆い隠さん
無数の風 無数の音に 人は生きる証を感じる
心はいつも輝き 何時も闇に包まれている
照らし出される光の偶像
事おかしげに笑みを作り 恐れを忘れう
臣ことの歌誌な
個月に指をおり
誰思ひける一時に誠光るる
照らし出す時止まり
仰ぐ水面
月明かりに我隠れ
届かぬ唄は光隠し
恐々と沈みし我が身
寒の指
『悪夢』
天に繋がう階段は
肉体という枷の衣を纏ってはその重みで崩れ落ちる
悪魔は地の奈落へ誘い
生きる証を奪い取る
黄泉の光 黄泉の闇
混沌とした意志の渦巻くこの地上
私は鏡の世界に逃げ込む
無音の静けさは恐怖であり 安堵でもある
心の在処一つで代わらぬ季節も色を付ける
淡い桜は風に舞
逆流する小川が虎を呑み
星は廻る
父の残した力の前に私はただ生きるのみ
父の返り血を浴びたこの胸の鼓動が何時も恐怖をあおる
火の鳥は業火に身を投じ復活する
全てが消えても残る意志
夕刻の鐘の音が私を悪夢から引きずり戻し
悪魔の兄は二度と顔を表さなかった
私は旅人
私が何なのか知るべくまだ旅は続く




