宙
私は一つであり その他であり 総てである
母なる温もりの中 私は安らぐ
雷の父は生まれて直ぐに私を喰らうだろう
隻眼の瞳は 知恵を手にした時より
カラスが父の要
私は妹を守るべく 猿を騙し父の首をはね
兄弟を助けた
父の血肉は星を生み
兄弟で天と地を分け合う
私は泥の娘を愛し 泥となって力を失った
永遠の命など 愛の前では拷問にしかすぎない
いくら泥人形を作っても
あの人は帰ってこない
欠けていたピースが繋がっていく
私は一つであり、全て
母の子宮の中眠りにつく
兄弟よ私はもうあなた達に出会うことは出来ない
届かぬ思いは沈黙を守る
自由とそれをなす力を失った私
ほんの一時の愛に目がくらみ今の私には何もない
永遠に愛を求め空にまう
苦しみや痛み全て覚悟でき受け入れることの出来たのは
昔のこと
今は痛みと苦しみだけが私を支配する
死んでは生き返り 繰り返す旅
私は鏡の小人に語りかけ
魂をかけて兄弟と幾度も繋がろうと試みる
ヤモリとネズミのしっぽそして蒼いバラを焼いて
最後に蛙の油を垂らす
生臭い煙の中悪魔の兄が訪れた




