デスゲーム
掲載日:2025/12/04
僕と彼女は、密室の中に閉じ込められた。
室内のモニターが灯り、頬に傷のある男が告げる。
「さあ、選別の時間です」
密室の1つの扉が開き、興奮した獣が数匹、僕たちにゆっくりと近づいてくる。鋭い爪と尖った牙。飢えているのだろう。グルグルと喉を鳴らしている。
「きゃあ!」獣の一匹が、彼女に飛びかかった。彼女はひっくり返り足をばたつかせた。他の獣も次々と彼女に飛びかかる。「いやぁっ、やめてぇっ!」と、彼女は嬌声をあげた。獣が彼女の頬を舐めたのだ。
「もうっ、なんて可愛い猫ちゃん達なの。可愛すぎて死んじゃう。どの猫ちゃんも可愛すぎて選べないよう♥」と、彼女は起き上がり、頬を舐める猫を抱きあげて言った。
僕も、足元にすり寄ってきた一匹の背を撫でてみる。ゴロゴロと甘える姿に、僕もキュン死してしまいそうだ。
今日は保護猫の譲渡会に来て良かった。大切に育てようね。という彼女に僕は相槌を打つ。
モニターに映る猫に頬を引っ掻かれた傷のある男は、少し寂しそうに微笑んで僕たちと猫ちゃんを見ていた。




