表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転職に失敗し続けた俺が、異世界で転職成功の極意を掴んで勝ち組目指す  作者: むらさきじゅんぺい
第3章 不登校少女 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/36

第20話 ポポポ ルルン

「ちょっと出るのが早かったか。少し街をふらふらしてみようかな」


オリバーの元に通うようになって2週間がたち、だいぶ道にも慣れてきた。

今日は天気もよく、絶好のお散歩日和だ。


平日の昼間に外出して自由に行動できるというのは、元の世界でデスクワークの仕事が多かった照平にとって、この上なく贅沢な時間だ。

目線が自然と上がり、街全体を見渡すと、いつも見ている景色が不思議とより色鮮やかに見えた。


照平はつかの間の解放感を味わうように、大きく深呼吸して歩きだす。


大通りを少し歩くと、ある店の前に行列ができていた。


「何のお店だろう」


店を覗いてみると、キャラクターグッズが並んでおり、その中でも特定のグッズを目当てに行列ができているようだった。


「ポポポ ルルン?なんだそれ?」


そのキャラクターは、オレンジ色の毛に覆われ、頭の上に大きな目がついている。

行列に並んでいるのはみんな若い女性で、若い女性に人気のキャラクターのようだ。


「おじさん!買うならちゃんと並んでよ!!」


「おじさん?おれのこと??」


後方からの声に驚き振り返ると、行列に並んでいる女子たちがこちらをにらんでいる。


「はい!すみません......」


女子たちの強いプレッシャーに負け、照平はとっさに行列の最後尾に並んでしまった。


(並んじゃったけど、ヴァレリアとの会話のネタになるかもしれないしな......買ってみるか)


30分並んで購入したポポポ ルルンのぬいぐるみキーホルダーは、照平の予想に反して高かった。


---


「今日はこの辺にしておこうかのぅ」


「だぁーーー!!!終わったーーー!!!」


照平は両腕を上げ、大きく伸びをした。

38歳にもなって新しいことを学ぶのはつらいものだ。


ガタガタ......


窓ガラスに風が当たって強く揺れる。

窓から外を見るとすっかり暗くなり、雨が強く降っていた。


「うわ、すごい雨だな。この雨の中帰るのか」


講義に集中していて気がつかなかったが、傘をさしてもずぶ濡れになりそうな雨の勢いだ。


「ありゃりゃ、今日は嵐だな。泊まっていくか?」


「え?」


照平は少し迷ったが、濡れたくないので泊めてもらうことにした。

お願いします。と言うと、オリバーは気を良くしたようににっこり笑った。


「ちんぺい!酒は飲めるんだろう?」


(このおじいちゃん、一緒に飲みたかったんだな)


「えぇ。まぁ」


そうかそうかと、オリバーは機嫌が良さそうに酒の用意を始めた。


(誰かと一緒にお酒を飲むのはいつぶりだろう)


「しんぺい!そこの戸棚にグラスが入っているから取ってくれ」


「はぁい」


(戸棚?あぁこれか)


照平は近くにある戸棚を開け、グラスを取ろうとした。


(ん?なんだこの写真)


戸棚の中にはグラスや食器が並んでいたが、一番上の段にある一枚の写真に目がとまった。

その写真は写真立てに入れられ、大事そうに飾られている。


それを見た照平は一瞬目を疑った。


「オリバーさん!この写真は......」


その写真に写っていたのは、今より少し若いオリバーと赤ちゃんを抱いたヴァレリアによく似た女性だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ