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転職に失敗し続けた俺が、異世界で転職成功の極意を掴んで勝ち組目指す  作者: むらさきじゅんぺい
第1章 謎習慣の村 編

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第2話 転生先はブラック企業?!

目が覚めると、俺は(わら)のベッドの上にいた。

壁や天井は丸太がむき出しになっていて、土間からはかすかに家畜の匂いがする。


そして、目の前には見知らぬ老婆が心配そうにこちらを見下ろしていた。


「あぁ、目が覚めたかい。驚いたじゃろう。あんたは昨日、この村のはずれで倒れていたんだよ」


ここは夢の中だろうか。

それにしてはリアルすぎるが……


「まさか、これは……異世界転生!?」


俺は、にわかに胸が高鳴るのを感じた。

魔法、スキル、魔王討伐、美女のハーレム、英雄譚……。

これまでアニメや小説で見た憧れの世界に、こうして自分が来ることができたのだ。


「これから俺の第二の人生が始まるんだ!」


普通であれば到底受け入れられない状況だろう。

だが、俺はこの状況にワクワクしていた。


転職活動に行き詰まり、今働いている会社にも馴染めない。

ならいっそうこの世界で心機一転やり直すのもいいのではないか。

ここでなら、俺は『勝ち組』になれるのではないか。

そんな期待が不安を大きく上回っていた。


そんな理想を描きながら興奮気味に立ち上がった俺だったが、現実はそう甘くはなかった。

俺は、村人に命を救われた礼として、しばらくこの村で働くことになったのだ。

割り当てられた仕事は、村の畑を耕すための石拾いと、家畜のフンのたい肥づくり。


「なんだこれ……。なんで異世界に来てまで土いじりとフン掃除なんだ」


期待していたのは、剣と魔法のファンタジー、レベル上げ、ダンジョン攻略、あるいはチート能力で一攫千金。

それなのに、やっていることは元の世界での仕事以下の泥臭い仕事だ。


村人たちの服装はボロく、言葉遣いも荒い。

俺の扱いは客人でもなく、ましてや勇者でもない。

村人は俺をただの『迷い人』として見ており、特別扱いはしてくれなかった。


「なんでこんな仕事しなきゃいけないんだ!」


慣れない作業と、元の世界の倍はあるような強い日差しで、すぐに疲労が溜まる。


「くそ!こんなはずじゃなかった。結局、どこに行っても俺は負け組ってことかよ」


俺は心の中で悪態をつきながら、また一つ、石を投げ捨てるように積んだのだった。




つづく

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