表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

第9話

初日は偽名を作ったり、機体の申請をしていたらあっと言う間に終わってしまった。機体はどうやらJ-11を貸してくれるようだ。東側の機体を間近で見るのは初めてなのでとても興味深い。フィクションでも良く悪役として登場するけれど、機体のフォルムはとても格好良くて好みだ。機体の性能をしっかりチェックしておかないと。これからみんなを裏切って敵になるというのに少しワクワクしている自分がいる。




1日目の夜




それはそうと胡玥はやたら距離が近いのが気になる。


一日のやることが終わり、彼女の部屋に連れてこられた。彼女は士官だけあって、専用の個室が宛がわれていた。手続きの間もずっと私のことを触っていたし、やけにボディタッチが多い。何かを隠していると疑われている...…? でもさっきまで全裸だったし。




「私はシャワーを浴びたいんだけど、使ってもいい?」


「なら玥も入るね」


「それは監視の一環なの?」


「それもあるけど単純に女の子が好きだからね」




げ、こいつもなのか。真希といい、彼女といいどうして私の周りは女好きばかり集まるのか……。




その日はシャワーで全身をくまなく触られた。手つきが嫌らしかった気がしたが、武器を隠し持っていないか確かめていると言っていたのでそう思うことにする。


なら最初裸に剥かれていたのは何だったんだ。




「もう寝るよ。凛桜はこっちに来て」


「ベッドは1つしか無いんだね」


「元々一人部屋だし、監視対象をしっかり捕まえておかないとね」




夜同じベッドに入りながら色々話をした。


「凛桜のこと色々聞かせてよ」




寝床に入って早々玥が後ろから抱きしめながら囁いてきた。




「……敵に教えることなんてないわよ」


「ふーん、そういう態度だとこっちも色々考えちゃうなー」




確かにそうだ。捕虜の身だし相手の情報もできるだけ引き出さないと。


ここは親密になっておくべきだ。




「私も言うけど、その代わり貴女のことも教えてよ」


「乗り気になってきた? あと玥のことは玥って呼ぶと良いよ」


「というかなんで抱きついているのよ! 離れて」


「スキンシップスキンシップー」




私も彼女も日本のアニメが好きでその話で盛り上がった。彼女は独学で日本語を学んだらしい。アユンといい、彼女といい独学で日本語を学んでいる率が高すぎないか。私は多少漢語の心得はあったけれど苦手なので一緒に居る間はお互いに言葉を教え合うことにした。今は彼女と仲良くなっておく方が得策だ。言葉がわかれば相手の情報を探れるし。




なんだかアユンとの日々を思い出すようだ。まあ、逃げるためとは言え、今はそのアユンを裏切って敵国で兵士として戦おうとしているのだけれど。私は地獄行きかしら。


流石に色々あり疲れたのか、私は直ぐに眠ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ