第2話 出会い
私とアユンの出会いは高校2年生の時だった。当時夢中になっていたアニメについて語り合うサーバーで出会った。彼女は豹のアイコンで自分の意見も堂々と言っていた。考察も、考えも巧みで私には憧れの存在だった。最初はお互い日本語でチャットしていたから最初は向こうも日本人だと思っていた。サーバーで意気投合した私たちは徐々に個人で連絡を取り合うことになった。親しくなるうちに、彼女が韓国に住んでいて、私よりも年上の大学生だと知った。アニメ以外でもゲーム・映画、私たちの趣味が一致していて、とても気があう。親密な関係になるのに、そう時間はかからなかった。毎日のように通話もするようになった。初めから彼女は日本語が上手だったけど、お互いの言語を教え合ったり、一緒にゲームをしたり昔からの友達のように日々を過ごしていった。そして実際に会う約束をするまでそう時間はかからなかった。最初は彼女が日本に会いに来てくれた。成田空港まで会いに行くときはとてもドキドキしたのを覚えている。
「はじめまして、凛桜。アユンよ。会いたかったわ」
一目惚れだった。トレードマークである豹のマークがついたトランクを持ったアユンはまるで王子様のようで、私の胸は高鳴りはじめた。
「あ、アユン、会いたかった、凛桜です。これからよろしく」
「なによ、お見合いみたいなやりとり。なんてね、私もずっと凛桜に会いたかった。東京観光楽しみにしているわ」
彼女との東京の旅は夢のような日々だった。たった1週間だったけれど、一緒にご飯も食べたし、テーマパークにも行った。ホテルにも一緒に泊まった。仲の良い友達との女子会みたいでとても楽しかった。私はきっとその時からアユンに恋していたけれど、アユンがどう思っていたかはわからない。恋って不確かなモノだから。
でもとても幸せな日々だった。彼女が帰ってからは以前にも増して連絡を取るようになった。
別れるときに今度は韓国においでよ、とアユンに言われた。親は心配したけれど仲の良い友達がいることは知っていたので快く送り出してくれた。
その韓国の旅で私の人生は大きく変わることになる。