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第4話


 探索しつつ先程の狼戦を振り返る。


 一番驚いたのは初心者武器の変更が戦闘中でも変えれることだな。


 狼に突きが避けられかけたとき、棒を更に長くすることで狼の意表を突いた。


 戦闘中で変更できるだけでも強いのに攻撃中に変更したら勢いや力が無くなることなくそのままなのが一番やばい。


 さっきの棒の長さ変化すら卑怯とも言えるのに例えば投擲剣を投げる時にそれをハンマーや大剣などに変えればそれで重量武器が勢いよく飛んでいくだろう。


 今はこの初心者武器しかないから投擲は出来ないがもし予備の武器があればそれも出来る。


 今後が楽しみだな。


 ただ短剣を思いっきり振った直後にハンマーに変えて衝撃と力をそのまま伝えるというやり方は多分できないと思う。


 ハンマーと振る武器での重さが違いすぎて力が乗り切らないだろう。


 けれど他にも悪さが出来そうだ。


 そして狼を倒したあと気づいた初心者武器の欠点。


 攻撃力の低さだ。


 狼にとどめをする時に一切傷をつけることができなかった。


 それだけだと傷がつけられないという特性かもしれないと思いそうだが目を直接攻撃したらとどめを刺せたからただ攻撃力が低いだけだと思う。


 戦闘中にそんな目を的確に狙うのは難しいため剣や刀などといった斬撃武器は使いづらくなった。


 衝撃だけはしっかりと通るから逆にハンマーなどの打撃武器はそのまま使えそうだ。


 レイピアや槍といったものもダメージを与えるのは難しい。


 弓や銃は目を直接、狙わないと行けないためできて遠距離射撃だろう。


 遠距離で目を狙う超高難易度な狙撃は流石にできそうにないため今のところは打撃武器を中心に使っていこう。


 偶然とはいえ探索のために最初に棒に変化させていたのは良かったな。


 そのお陰で傷がつかないということに戦闘中に驚かずにすんだ。


 ああ、一応、狼の防御力が高すぎて初心者武器が通らないだけの可能性もあるが、それを考えても今はなにも変わらないので置いておく。


 取り敢えずまた同じ狼が来てもいいように武器は棒にしておこう。


 さて、考察を続けながらも探索を続けていたがリアルな森といった感じだな。


 虫もいて小動物もいる。


 風も感じるし森が生きている感じがする。


 そうして森を進んでいく中でいくつか特徴的なものをシャベルに武器を変化させ採取してみた。


 変わらず詳細は分からないが取り敢えずインベントリに入れておく。


 ⋯木はどうだろうか?


 ちょっと気になったため斧に武器を変化させて振るってみる。


「はっ!⋯くっ!」


 斧を振っても木に傷はつかずに俺に反動がきた。


 木は伐採出来そうにないがゲームシステムでの制限というより斧の性能が低く木が硬いため切れなかったように思える。


 出来れば木も切ってみたい。


 あー!鑑定がほしい!


 鑑定があれば探索や採取がもっとスムーズにできるのにな!


 スキルがないのもゲーム的にはおかしいしな!


 ステータスも比べれないから数字はどうなのかわからないしスキルもなしで今のところリアルで森にいるのと変わらないんだが!


 探索も飽きてきたし走るか⋯。


 俺がそうして飽き始めて走り回っていると森に似つかわしくないものが見つかった。


 俺がそれに気がつくとそいつも気がついたのか俺に顔を向ける。


 俺の知識にあるものだと岩のゴーレムに近く2メートル程のそれは岩の拳で殴りかかってきた。


 その攻撃を避けつつ棒で応戦する。


 何度か棒で攻撃してみたが全く効いている様子がない。


 俺は棒に見切りをつけて別の武器にする。


 まずはゴーレムの攻撃を誘発する。


 そしてゴーレムの後ろに回り込むとハンマーに武器を変化させ頭を思いっきりぶん殴った。


 ⋯だがゴーレムは攻撃がなかったかのように岩の拳を振り回した。


 俺はすぐに短剣に武器を変えると岩の拳を避ける。


 予想していたがゴーレムともなるとこの初心者武器を変化させたハンマー程度じゃ傷つかないか。


 ハンマーで無理なら有効打がないため普通なら逃げるがこのゴーレムなら付け入る隙がある。


 付け入る隙とはこの岩のゴーレムにある関節部分のことだ。


 狼の目といった急所には初心者武器の攻撃が効いた。


 ならあの比較的脆いだろう関節部分に攻撃を加えれば倒せるかもしれない。


 関節部分に攻撃するには精密な動作が必要だ。


 ハンマーではどうやっても関節部分は叩けない。


 棒なら叩けるが威力が期待できない。


 ならハンマーの小さいやつ⋯金槌にでもしてみるか。


 取り敢えず金槌にして関節部分を叩いてみることにする。


 そのまま近づき攻撃を避けるのは先程と変わらない。


 今回は腕⋯いや足の関節部分を狙う。


 人形で俺より少し大きいぐらいのゴーレムなら足を壊されたら動けなくなるだろう。


 ゴーレムの攻撃を避けるとそのまますれ違い後ろから関節部分に思いっきり金槌を振るう。


 すると先程までの攻撃に対して、なにも反応しなかったゴーレムの体が揺らいだ。


 どうやらこのままでいいらしい。


 そのまま続けることにする。


 そうしてちまちま関節部分を叩いているとだいぶ時間が経った。


 片手で攻撃しても揺らがないし、両手で思いっきりぶん殴らないといけない以上チャンスは少ない。


 ゴーレムも学習したのか、振りかぶってくる攻撃をしなくなり横薙ぎが多くなった。


 そのため時間がかかってしまう。


 けれどあと少しで関節部分が破壊出来そうだ。


 そうして次のチャンスに関節部分に攻撃をいれると関節部分が壊れてゴーレムは片足が使えなくなった。


 ⋯よく考えれば足を壊したらゴーレムが動けなくなる変わりに腕を壊すのが大変になるんじゃないか?


 だってあれだもんな。


 片足がなくなって方向転換をしなくなって拳は周りで振り回すだけ。


 はぁ。


 面倒くさ。


 まずは腕をやればよかったわ。


 ⋯逃げるのも癪だし頑張るか。


 まずがもう片方の足からやるか⋯。


***


 ⋯⋯⋯⋯。


 はっ!?


 やっと終わった⋯。


 関節部分を壊して分解した部分はインベントリにしまって一つ残らず回収した。


 もう片方の足を壊してからがマジの本番だったな。


 岩の塊が振り回されてる中、関節部分を攻撃しなきゃいけない上にその攻撃は両手でぶん殴るしかないんだから隙なんて少ないしゴーレムは疲れ知らずだし。


 どれだけ途中でやめようと思ったか⋯。


 狼が20匹襲ってきたほうがよっぽど良かったわ。


 次、見つけても速攻逃げよう。


 さて探索というか森からの脱出を再開したいが⋯。


 森はまだまだ続きそうだな。


 腹も減ってきたし採取したやつの中から食べれそうなものでも⋯。


「ちょっといいかい?」


「ん?」


 俺がインベントリを開こうとすると後ろから声が聞こえた。


 その声の主を見るために後ろを振り返る。


「っ!」


 俺はその姿に驚き、声を失う。


「おお!そうか。自己紹介から先だな」


 すると声の主は何を思ったか自己紹介を始める。


「私の名前はアリア。真名は明かせないがよろしく頼む」


 そう言うと声の主⋯アリアは笑った。


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