初めての、うさんぽ
うさんぽ。
それはウサギのお散歩。
初めてだから、うさんぽも冒険。
目がさめたら、ママがいない。
おへやの中には、だあれもいない。
さみしくなって、ドアをあけてみる。
いつもはカギがかかっているけど、今日はかかっていなかった。
ぴょこん。
ぼくはお外に出る。
ママは「一人で出ちゃだめ」っていう。
お外はコワいところだって。
おそるおそる。
ぼくは、お家のまわりを歩く。
こわごわ。
ドキドキ。
あ。
おひさまが出てる。お外もあたたかい。
コワいことってなんだろう。
ぴょこん。
のびー。
ぼくは手と足をのばす。
ドアのすぐそばに、ふわふわしたものがある。
真っ白なふわふわ、ママの匂いがする。
ぴょこん。
ぼくは、ふわふわしたものに乗ってみる。
これがコワいもの?
ぱりぱりぱり。
引っかいてみる。
あ。
ツメが引っかかった。
ぬけない、ぬけない。
コワいかも。
思いきりジャンプ!
ぴょん。ぴょん。ぴょこたん。
ふわふわしたのが、ツメといっしょについてくる。
ぬけないぬけない。
コワいコワい!
思わずダーッシュ!
ぴょんぴょんぴょん!
はああ。
ようやくツメがはずれた。
走ったら、ねむくなる。
ふわふわしたものといっしょに、寝よう
寝よう……ふああああ。
起きたら、ママがきっと……。
「あ、うーたん脱走してる!」
ママだママだ!
ぼくはうれしくて、ママの周りをぐるぐるぐる。
「私のマフラーがあああ」
なんだかママは、泣き笑い。
おしまい
Q 実話ですか?
A えへへ