#8 来るな!
「みんな。まちに被害を出してしまったけど、取り敢えず、みんなお疲れ!カンパーイ!」
と言って、フォレストがビールが溢れそうなほど入っているジョッキを持ち上げ乾杯したあと、ゴクゴクと軽快に飲む。
「いやー!やっぱ良いですねぇ。ご当地ビールは。家に100本ぐらい買い貯めておきたいくらいですよ!
ーーまぁ、今家なんてないんですけどね!」
と言うと、食卓が笑いの渦に包まれる。
少し低い声をしていて、髪色は緑と紫のメッシュがごく一部だけ入っていて、髪を後ろで結んでいる。服は全体的に黒めで、体格はかなりスラッとしていて、モデルにいそうなレベル....いや、下手したら超えるんじゃないかってレベルのスタイルと顔だ。
ーーーって。
「だれ!?」
僕が声を上げると、待っていたかのようにエレキが銃剣を取り出し、剣でいつのまにかいた男を切ろうとするが、男は不的な笑みを浮かべながら避ける。
エレキも銃を撃ちながら距離を取るが、だからと言って、不敵な笑いを浮かべた男が接近してくることはない。
そして、十分な距離を取ったのち、静寂を打ち破るようにエレキが口を開く。
「あなたは一体、何が目的なんですか。
見たところあなたはかなりがつくほどの手練。ここに侵入して、見事にここに溶け込み、かと言って何もしない。
さらに言うと、気づいてたのは私とナナシノレイだけですしね。」
エレキにそう聞かれると、男は不敵な笑いを一層深め、話し始める。
「別に?人生つまんなくなって死んだらユリって神に会ってここに来たから1番デカそうな家に行っただけだけど?」
「!」
こいつ、僕と同じか。にしても、僕と違って自殺しそうなタイプじゃなさそうだけどなぁ....
「!」
僕はひとつ気づいて、プルプル震えながら震えた声で言う。
「こいつ....知ってる。
名前は聖徳心
殺人156437件
窃盗52493件
自殺幇助・自殺教唆合わせて2006件
暴行534667件
傷害668794件
詐欺1004927件
強盗102547件
銃刀法違反5428617件
の重罪人だ。
しかも、こんなに罪を犯しても、うまく逃げて警察に捕まってないんだ。」
「げっ....なんでそんなやばいやつが自殺?」
ファイアがしかめっつらをして、男に聞く。
それに聖徳はすぐに反応する。
「うーん....なんて言ったら良いのかな....まぁ、端的に言うと、飽きちゃった☆」
「「は!?」」
全員が聞き返す。
そして、聖徳は続ける。
「なんかさ。あんなに沢山人殺したりしたら、飽きちゃうじゃん。だからまぁ、死んでやり直そうかなって。
あ、それとさ。警察って、やっぱ無能だね。君が言ってたのはニュース番組で放映されてた者だろうけど、それの倍はもうやってるよ。」
(おいおい....完全にイカれてるだろ。)
俺は内心、いや、外にも出ていたかもしれないが、内心冷や汗をかく。
こんな奴と一緒にいるなんて、少ししたら気が狂いそうだ。
「あ!そうそう!」
と言って、忘れていたかのように衝撃的なことを言う。
「言えないから、暫くここに泊めてね!」
「来んな!」