表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/51

#3 休戦

「えっと....この空気どうしたらいいんですかね....」


 僕はビクビクしながら言う。

 ことは、30分前に遡る。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あー。疲れた。やっぱ真紅の満月(ブラッド・ムーン)が出た時はモンスターが湧きやすくなるかね。」

 

 ファイアがそう言いながら、食卓に座る。

  そして、エレキやフォレスト、そして僕が、次々と食卓に座る。

 しかし、会話が起こらない。


 何故かって? そりゃ、エレキが僕と一緒で不機嫌オーラを出してるからだよ。

 そして、ただエレキが出した食事を食べるだけの時間が大体30分も続いた。

 そして、今に至る。

 

「あ、そういえば、ナナシノレイ君は何が好きなの?」

  フォレストがこの空気を紛らわさせるために言う。

 それに僕は、「ズワイガニ」と静かに答えると、みんなが急に「ん?」という表情になる。


「え?みんなどうしたの?」


 急に変わった空気に、僕が怖気づきながら言うと、エレキが静かに答える。


「いや、なんですかズワイガニって。そんなもの多分ないでしょ。

 こんな状況で面白くもないジョークを言うとか、本当に空気が読めないですね。」

 それを聞いて、僕はハッとする。


 そうか、ここは食文化が違うから、ズワイガニもそりゃないか。


 よく考えればそうだ。


「あっ....いやあのー今のはなんと言いますか、冗談? ではないんですけど....」

 僕は必死に取り繕う。


 しかし、エレキの嫌悪感は高まるばかりだ。

 そして、エレキが食卓を立ち、キッチンへ向かうと、棚からカニのようなものを取り出して、慣れた手つきでカニのようなものを捌き、刺身にする。


「はい。貴方が言っていたズワイガニというのはよくわかりませんでしたが、一撃の蟹(リーサル・クラブ)ならあるので、刺身にさせていただきました。

 もっとも、貴方のために貴重な一撃の蟹(リーサル・クラブ)を使うのは、不快でなりませんが。」


  僕はエレキが一撃の蟹(リーサル・クラブ)? を出したことに驚いている。

 エレキは、人の話をしっかり聞いている。その証拠に、さっきだって僕のズワイガニの要望も、それに応えるために一撃の蟹(リーサル・クラブ)の刺身を出してくれたじゃないか。


 もしかして、エレキは口ではああ言ってるけど、結構優しい人なんじゃないか?


 僕がそう考えながら、ニコニコしていると、エレキが「さっさと食べなさいよ」と、不機嫌そうぶつぶつ言う。


 うーん....これは....優しいのか優しくないのかよくわんね!

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そうして、食事を食べ終わると、ファイアが「あ」と声を漏らし、喋り始める。


「そういえば、多分ナナシノレイ君てユリ様からの回し者だよね。」

 

「なんだ? それ。」

  僕が思わず質問で返す。

  それに、ファイアが答える


「今のご時世、ここ(アライト・ヘル)は人口減少がやばいのよ。だから、多分ここ(アライト・ヘル)の神様と言われているユリ様が多分別の世界から人を呼んできたのかな〜って。


「え?….お前ら神様信じてんの….ていうかアイツが?」


 そういうと、フォレストが急に捲し立ててくる。


「ナナシノレイ君!ユリ様は居るよ! それに、ゆり様は素晴らしい方だよ! 何言ってんの! 」


「ええ….」

 僕は思わず引いてしまう。

 やっぱり、宗教とかは理解できない。


「でもさー実際、なんかズワイガニとか言ってたし、ナナシノレイ君だけなんかズレてるよねー」


 ファイアが話を戻す。

 それに、フォレストが便乗する。


「たしかにねー。それに、なんかモンスターとかをみた時に明らかに動揺してたし。

 ここ(アライト・ヘル)では常識なのにね。」


「ええ….」

 僕はこの世界の常識に驚く。

 ていうか僕、さっきから驚いてばっかりだな。


「まぁ、ナナシノレイ….てかもうレイで良いか。はこれからここ(アライト・ヘル)の常識を学んでけばいいんじゃない? 」


 ファイアがまとめに入る。


 それに、フォレストもエレキも同調する。


 まぁ、たしかにこれから|ここ《アライト・ヘルの常識を学んでけばいいか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ