序章:帰る場所
そして現在ーーエレノア王国
ここは龍神を祀る王国。
龍神の力を借りその力を扱えるものを筆頭に大きな
騎士団を設置している。
壮麗な王宮の広間で、アレンがエレノア騎士団団長として任命される儀式が執り行われている。
たくましい青年に成長したアレンは、威厳と冷静さを纏い、敬礼する。彼の目にはかつての少年の面影が残りながらも、もう戻らない家族や村を思い起こし、深い決意を秘めている。
アレンの物語は新たな幕を開ける。そして、騎士団長としての道を歩みながらも、彼の心にはまだ決して消えない復讐の炎が静かに燃え続けていた。
任命式が終わり、アレンはリアと騎士団の同僚エイトとともに酒場に向かうことにする。エイトはアレンの同期で、情熱的な性格を持つ青年だ。酒場で、エイトは嬉しそうに「いやーお前が団長とはな!」とからかい気味に声をかける。一方で、リアも冗談混じりに高級料理を指さし、「全部団長様の奢りでね」とアレンをからかう。アレンは困った顔で「おい...お前ら」と呆れた表情を見せるが、和やかな雰囲気が漂う。
ちょうどその時、酒場のお姉さんマキアが注文を取りにやってくる。「アレン君!おめでとう!ドリンクはサービスしてあげる!リアちゃんの食べたい物は団長様の奢りでね。」彼女は優しい笑顔を浮かべてアレンたちに接する。
エイト&リア「やったー!!」
アレンは2人を見て微笑みマキアに礼を言う。
アレン「ありがとうございます。」
そして王家直属精鋭龍騎士の三人ソウキ、セーナ、レイリンが酒場に現れる。
【王家直属精鋭龍騎士】その名の通り国王に認められ龍神の力を扱える最強と謳われる3人の騎士。
ソウキは「期待している」と一言と共に手を差し出しアレンと握手を交わすとすぐ席に着く。
セーナはアレンに「おめでとうございます。」
と祝いの言葉をかける。アレンは少し緊張しながら
「ありがとうございます」と応えるが、二人の視線が一瞬交錯する。この視線をリアとエイトは不思議そうに見ている。すると、レイリンがセーナに「なんかぎこちなくない?」と茶化し、場が少し和やかになる。レイリンはセーナの姉的存在として彼女を見守り、アレンやリアたちとも自然に接する関係を築いている。
リア「アレン緊張してる?」
アレン「王女だぞ。気軽に話せる相手じゃない。」
エイト「やっぱ雰囲気すげぇよな。龍神様の力かー。おれも使いてえな。」
アレン「…」
リア「アンタには無理よ。あとあの最近龍神様の力に目覚めたって言うあの女の子。」
アレン「チトセか。」
リア「そうそう。未来が見えるらしいわね。」
エイト「まじかよ!すげえ便利じゃねえか」
リア「見たい未来が見える訳じゃないらしいわよ。」
エイトは運ばれてきた料理に気を取られ適当に聞き流す。