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フラグ66 Kフラグ2

あ、やば、キャベツと玉ねぎ切らしてらあ、買いに行くか。

新年会から1ヶ月経ち、期末テストやレポートに追われた後期も終わり1日休みだった2月中旬、俺は野菜炒めの材料がないためスーパーに向かっていた。

(寒い中キャベツと玉ねぎ買いに行く為だけに外出るのやだな。あれ、このチャリって)

気になることがありつつもスーパーの中へ入り野菜売り場に向かった。

(うーん、キャベツが280円かぁ、たけえな。物価上がりすぎて暮らしていけねえよ)

トントン

誰かが俺の肩を叩いた。

「お疲れ様です」

「お、おつかれ」

(あ、やっぱ歌乃のチャリだったか)

そこには買い物かごを持った歌乃が立っていた。

「たかとさんも買い物ですか?」

「そー、歌乃も?」

「はい」

「何買って、」

(豆腐とネギと白菜買ってる)

「鍋でもやんの?」

「あ、はい。なんかちょっと恥ずかしいです笑」

「たかとさんは何買うんですか?」

「夕飯野菜炒めにしたからキャベツと玉ねぎを」

「へー簡単でいいですもんね。たかとさんがつくる野菜炒め美味しいですし」

「野菜炒めは味そんな変わんねえだろ笑そんでまあ、買いに来たんだけど高くてちょっと渋ってる」

「たしかにそうですね〜」

「白菜いくらだった?」

「1/8で100円でした」

「じゃあおれも鍋にしようかな」

「寒いですしね」

「キムチ買ってキムチ鍋にすっかなぁ。明日もバイトないし」

「パクられて越えられた笑」

「わりいわりい笑」

そんなやりとりをして、色んな物を見つつ2人で並んで買い物をした。

これなに!どういうイベント?

うっさい。


俺と歌乃は会計を済ませてレジ袋に買ったものを入れながら話した。

「そういや昨日まで合宿だったんだよな?」

「そうですそうです」

「大宮のストーリーで見たわ」

「あーそれで知ってたんですね」

「歌乃もバイト休みだったしな。どうだった?」

「楽しかったですよ!でも、」

「ん?」

「あ、いや」

(そういえば、前に悩んでそうな感じだったような。でもこの感じだと話してくれなさそうだしなー。どうすっかなー)

そう考えてる間にスーパーの駐輪場まで来てしまっていた。

「あー、えっと、いまの野球部も気になるし合宿のこと聞かせてよ。ここじゃなんだし、駅近くのカフェ?みたいなとこで」

「え!いいんですか?でもこれから夕飯なんじゃ」

「えっと、じゃあ明日!明日は?」

「バイト行く前までになりますけど大丈夫です!」

「りょーかい!それでいいなら」

「はい!駅近くのカフェってnatacafeですよね?」

「名前わかんねえけどたぶんそれ。14時で大丈夫?」

「大丈夫です!」

「おっけー。じゃあまた明日」

「はい!楽しみにしてます!」

(やばい、かわいい)

そうして俺と歌乃は自分たちの家に帰った。

ちなみに、普段は自転車で大学とバイト先行ってるけど、ちゃんと近くに電車も通ってて俺のアパートは駅から5分となってるぞ。




翌日

「おはようございます!」

そう言った歌乃はいつも見ている格好よりかは少し大人めの服装で現れた。

「おはよーってバイトじゃねえんだから。俺も癖で返しちゃったけど」

「あ!そうでした!私も癖で笑」

(やべえ、一瞬射抜かれた)

俺と歌乃は店の中に入り、テーブル席へ通された。

「あれ、いつもバイトのときに持ってるリュックは?」

「あ、ここからだと通り道なんで一旦家帰ってからバイト行きます」

「じゃあそれ見越して16時には出よっか」

「はい!ありがとうございます!」

俺はメニューを歌乃側に見せて開いた。

「ここよく来てていつも頼むの決まってるんですけどたかとさんはどうですか?」

「あー、決まってんのね笑俺は来たことないなー。おすすめは?」

「やっぱこのパンケーキとコーヒーが美味しいですよ!」

「じゃあそれにしよっかな。歌乃はなににすんの?」

「決まってるっていってもこの期間限定のやつは食べたことないんで迷ってます」

「じゃあ、俺がこの期間限定のやつにするから歌乃はいつもの頼みな」

「いいんですか!ありがとうございます!」

(食べ物のこととなると遠慮がないなあ)

ピンポーン

「お決まりですかー?」

(あ、やば歌乃のいつも頼むやつ聞いてなかった)

「この期間限定のチーズケーキとブレンドのホットで」

「みかんのスフレとカフェラテで!」

「以上でよろしいですか?」

「はい、おねがいします」


「よく来るって課題とかやりにくんの?」

「そうですね!だいたいは」

(なんかテンション上がっとる)

「大学も地味に遠いもんな」

「そうなんです!ってたかとさん家とほぼ距離変わんないですもんね笑」

「にしても中こんな感じになってたとは。外観によらずオシャンやな」

「そうなんですよー、私も11月ぐらいから来ててもう行きつけのお店になっちゃいました笑」

「歌乃ってなんでこのへんの家にしたの?」

「大学からの紹介もあるんですけど大学の近くだとうるさいのと人が多そうだったので」

「まあ、ここよりは人はいるわな」

「たかとさんはなんでですか?」

「俺は家賃抑えたかったのと学バス通るからグラウンドにもバスで行こうと思ってて」

「でも試合の日は間に合わないんですよね笑」

「ほんとそれなんだよ!騙されたわ笑」

「わたしも一緒です笑」

「歌乃って試合の日って電車とバスだったよね?」

「いまは二葉さんと一緒に三田さんの車に乗っけてもらってます」

「おー!よかったじゃん!」

「でも今年の秋からどうしようかと」

「近く通る同じ歳のやついないの?」

「たぶんいないです」

「大宮にでも話してみたら?あいつは車持ってないけど笑」

「そのときになったらきいてみます」

「あ、そうだ!合宿どうだったか聞」

「失礼します」

(でたー間悪い病)

「チーズケーキとブレンドのホットとみかんのスフレとカフェラテです。ご注文は以上でよろしいでしょうか」

「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

「先食べちゃおっか」

「はい!」

(めっちゃ目輝いてる)

「あ!先チーズケーキ食べていいよ」

「あ、ありがとうございます!とっちゃいますね。あ!よかったらわたしのも、、」

(そんな血の涙を出しそうな顔で言われても)

「大丈夫大丈夫!気にせず食べて」

「それじゃあお言葉に甘えて」

歌乃は俺が頼んだチーズケーキを少し取り頬張った。

(幸せそうでいらっしゃる)



歌乃は目の前のスイーツに夢中になりながら食べ終え、俺もそれに合わせて食べ終えた。

「それで、合宿はどうだった?みんな相変わらずだった?」

「はい!たかとさんたちが引退して寂しかったですけど楽しかったですよ!」

(あれ?そんな悩んでるわけじゃないのか?)

「飲み会もやったんだら?」

「はい!もちろん!」

「じゃあみんなと仲良くやれてんだな」

「そうですね、たぶん」

「なんか気になることでもあるの?」

「いや、前よりは断然仲良くなったんですけど、、ひとりの人から一緒に出かけようって誘われてて、、」

(そっちかぁー)

「まあ、2人ではきついかもな」

「そうなんです!そういう目で見れないというか、ちょっと怖いというか」

(そういう目で見れない、ね)

「それなら無視はできないか、嫌なら断ってもいいと思うけど気まづくなるのも嫌ってことか」

「そうです、、」

「そうだなー、まあ、はっきりさせた方がいいと思うよ。行かないなら行かないで、気まづくなるのはしょうがないよ、そいつが言ってきた時点で気まづくなるのは避けられないんだから」

「二葉さんにもそう言われました」

「なんかあったら俺とさゆりでカバーするからさ、大丈夫!」

「じゃあ、一旦は断ってみます」

「歌乃が悪いことなんてひとつもないから気にすんなよ」

「はい、ありがとうございます。あの、、もうひとつだけ聞いてもらってもいいですか?」

「ん?いいよ」

「あの、たかとさんって失敗したときとかってどうやって切りかえてます?」

「その失敗がなにかによるけど、バイトでミスなんてしてたっけ?」

「バイトもなんですけど、マネージャーの仕事でも買うもの間違えてたり飲み物こぼしたり、色々重なってて」

「そっかぁ、そういうときってあるよね。少なくともバイトはシフト被ってるときはミスらしいミスなんてないし、歌乃がミスばっかしてるなんて話は誰からも聞いてないし、そんなの気にするやつらでもないよ?店長だってとっくに認めてるし。マネージャーの仕事はあんまわかんないけどさ、二葉ちゃんだってみんなだって気にしてないだろうし、失敗はともかく歌乃が頑張ってることはみんなわかってると思うよ」

「そうなんですよね、さゆりさんにも相談したら同じようなこと言ってました。自分でもそうだとわかってるんですけど、どうしても切り替えられずちょっと沈んでて」

「それでどうやって切り替えてるかってことね」

「はい」

「そうだなぁ、もうその気持ちごと楽しんで過ごしてみるとか、その悩んでる一日一日がもったいないっていうか、一日一日を大切に全力でやってみるかな。それと、もう辛い時ほどきつい時ほど笑ってみるかな。っていうのも尊敬する人、、いや人達の受け売りなんだけどね」

そう言うと、暗い顔をしていた彼女の顔が明るくなり、なにかを見つけた顔をした。

「なんか少し楽になった気がします!」

「そう?よかった。俺もあんま切り替えられる性格してないからさ、どうしようもない時はとことん落ち込むけど笑」

「たかとさんでもそういう時があるんですね、なんか安心しました笑」

「いやあるよ!なんだと思ってんだよ笑」

「気合いで乗り越える鉄人かと笑」

「まあ、間違ってはいないが笑」

「否定しないんですね笑」

「うるせー笑」


それからは他愛もない話をしてあっという間に時間は過ぎていった。

「もうそろ出るか」

「あ、もうそんな時間ですか?」

「もう16時になるよ」

「なんか時間経つの早かったです」

「そうだね、ってバイト遅刻するからはよ出るぞ」

「そうですね」

歌乃は少し慌てながら席を立ち、俺は伝票を持ってレジに向かった。

「おねがいしまーす」

「はい、ありがとうございます。お会計が3560円です」

歌乃は財布をかばんから出そうとしていたが、俺がすぐ財布を出せたというより用意しておいたので歌乃の分も支払った。

「ありがとうございました。ごちそうさまです」「ごちそうさまです」

「ありがとうございました」

店を出ると歌乃がお金を出そうとしていた。

「お金いらんよ?」

「いやでも、さすがに今日は」

「こういうときぐらい先輩ずらさせてよ。な?」

「じゃあ、お言葉に甘えて。でも次は絶対割り勘ですからね!」

「次?」

「な、なんでもないです!早くしないと遅刻しちゃうんで行きますよ!」

そう言った歌乃はマフラーで顔を隠して先に歩いていった。

(なんだあの可愛い生物は、いかんいかんこれじゃ、歌乃を狙ってるやつと変わらん。歌乃は大事な後輩、歌乃は大事な後輩。うん、大丈夫)

先に歩いていった歌乃に追いつき、話す間もなく、わかれ道になった。

「本当に今日はありがとうございました!楽しかったです!」

「全然!またなんかあったら話聞かせてな」

「はい!もちろん!」

「じゃあバイト頑張ってな」

「はい!ありがとうございます!行ってきます!」

元気になった歌乃は手を振って自分の家の方向に歩いて行った。


あれでよかったんだろうか、歌乃を追い込んでないだろうか、ひとり反省会の癖は抜けず、そんなことを考えつつ、楽しかったと思いつつ複雑な顔をして家までの道を歩いた。

あーあ、色々考えてもよくわかんねえ。

今日もキムチ鍋か。

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