フラグ64 新年とは
「おはようございます!」
「おはようございます。あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします」
1月4日、俺は今年初バイトに来ると、店長が正月のお飾りを店に付けていた。
「たかとさん、あけおめことよろです」
「ういー、あけおめことよろー」
「あれ、新年にたかといるの初めてじゃね?ことよろ」
「ことよろー、毎年実家帰ってたからな」
「今年帰ってねえんだ」
「友達と年末年始過ごしてたからね、竜生は?」
「俺は彼女と過ごしてたかな」
「だる」
「なんでやねん!」
「歩は?」
「僕は帰省しててさっき帰ってきたところです」
「ほんとお前はいつも楽しそうなやつだな」
「どういうことっすか笑」
俺が着替えているタイミングでゆうとととしも出勤してきた。
「あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」
「ういーあけおめことよろー。一緒に来るなんてお前らほんと仲良いな」
「違いますよ、たまたま店の前で会っただけですよ」
「またまたぁ」
「勘弁してくださいよー」
「おい、こっちのセリフだわ!」
「ほんとおもろいなお前ら」
営業前にいつも通り朝礼が始まった。
「えー、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「お願いしますー」
「毎年、最初の営業はあまり混みませんが、できる限りミスなくやっていきましょう。よろしくお願いします」
「お願いしまーす」
「竜生なんかある?」
「僕っすか?」
「円陣組んで円陣」
「ムチャぶりすぎる笑」「えー、新年一発目頑張りましょう!」
「お、おー」
(運動部しかいなくてよかったな、運動部しかいないからこそ店長は言い出したのかもしれんけど)
今日のキッチンの相方はとしだ。
「いつも新年ってあんな感じなんですか?」
(あーとしって去年のこの時期っていなかったもんな)
「おれ毎年この時期シフト入ってなかったからわかんねー」
「そうなんですか?」
「いつも帰省してたからね、大学始まるまで実家でのんびりしてた」
「今年は帰ってないってことですか?」
「そー、たまには1人で過ごしてみようと思って」
「年末年始はなにしてたんですかー?」
「年末はコミケ行って、友達と年越しして、3日まではずっと家で引きこもってた笑」
「たかとさんらしいですね、おせちは作ったりしました?」
「いやーさすがにめんどくさいから作ってねえな」
「めんどくさいからって作れるには作れるんですね」
「まあ、実家でいつも手伝ってるし」
「さすがすぎます」
「店長もいるし、掃除でもやっとくか」
「わかりました!」
18時半まで来店はなく、その後も数組来店があった程度で時間の流れが遅く、やっと20時になり、休憩に入った。
(これだけ暇ならやっぱシフト入って正解だったな、明日も混まねえだろ)
俺はいつも通り、キッチンに戻り賄いを作りに行った。
(んー、やっぱ初賄いは肉だよなー)
今日の賄いは簡単に牛バラを焼いてご飯の上に韓国のりと刻んだネギと温玉と焼いた肉を乗せて、その上に焼肉のタレを回しかけた焼肉丼にした。
(うん、これぞ原点)
休憩中は動画を見ながら賄いを食べ、食べ終わったら音ゲーをやって、いつもの流れで休憩が終わった。
休憩の後も特に来店はなく、1時間早い23時で閉店することになった。
俺がクローズ作業をしていると後ろから竜生に話しかけられた。
「たかと、今日飲みいこーぜ」
「ええよー」
「さすが!」
「でも明日って竜生も来るんだら?」
「いくよ!たまには男だけで飲み行くのもありっしょ」
「大あり」
「ゆうと、としも来んの?」
「行くって」
「ないすすぎ!」
「クローズなんて早く終わらせていこーぜ」
「キッチンは任せろ」
「アニキさすがです!」
(ふぅー、キッチンも洗い場も終わったし、初シフト終わりー)
「たかとさん、ゴミ出しときますね」
「ういーさんきゅー」
(としもだいぶクローズ早くなったな、綺麗に片付いてるしおっけーだな。よし!飲み飲み!)
ホールもキッチンも同時に終わり、楽屋に行って退勤をした。
「うわーまだ23時って新鮮だな」
「LOが23時でいつも早くても23時過ぎとかだしな」
「今日10組もいってないしなー」
「やっぱそんなもんか、毎年こんなもんなん?」
「たぶん、あんま覚えてない笑」
「少なくとも去年はこんな感じでしたよ」
「よく覚えてんなー」
「去年も営業後飲みいったんで笑」
「あれそうだったっけ?」
「健人さんと朔斗さんと行きましたよ」
「おれいた?」
「竜生さんもいましたよ、というより今日みたいに竜生さんが誘ってました笑」
「あれ、まじ?」
「竜生、毎年同じことしてんじゃね」
「やっべーそうかも、やっぱ初営業後は飲み行きたくなっちゃうんだよね」
「さすがだよほんと」
その後はそそくさと着替え、店長に挨拶して店を出た。
「ゆうととしも明日来れるんだっけ?」
「行きます!」
「ないすーないすー」
「どうせ歩は来るからいいや、女の子目当てで」
「何言ってるんすか!もちろんそうです」
「キモ」
「でもここに歌乃は絶対守るマンいるから」
「おい、誰のことだ」
「さすがにたかとさんのお気にには手出しませんよ、萌香で我慢しときます」
「萌香ならいいですよ、僕とゆうとで差し出します」
「大1トリオもほんと仲良いよな」
「竜生さんたちほどじゃないですよ」
「俺らは男ばっかだしな、今日は男だけで楽しもうぜってことで店入りまーす」
(話す流れ上手すぎか、ロケ上手の芸人やん)
「いらっしゃー、、あれ、予約って今日だっけ?」
「いや、明日っす」
「2日連続なんだね笑」
「よろしくっす」
席に着くとすぐにオーナーさんが来てくれて注文を取ってくれた。
「最初何飲むー?」
「生3のお冷2でいいすか」
「りょうかい、良かったら日本酒1合サービスするよ」
「まじっすか!ありがとうございます!いただきます!」
「お猪口は3つでいい?」
「はい!おねがいします!」
「おっけー、ちょっと待っててね」
「さすが常連っすね」
「竜生がいるのもでかいだろ」
「そんなことねえよ、たかとも歩も覚えられてんぞ」
「まじでー」
「たぶん」
「たぶんじゃねぇか」
「はい、おまたせー。生が3つとお冷と日本酒ね」
「ありがとうございます!」
「ごゆっくり〜」
「じゃあ、あけましておめでとうございます!今年もよろしくかんぱーい!」
「ういー」
「くぁー!しみしみのしみだわ」
「たかとさんからしみしみのしみいただきました!」
「やっぱバイト後の酒がいちばんうめわ」
「たかともほんと馴染んだよな」
「そうなんですか?」
「今となっては俺ぐらいしか知らないけど最初は人を寄せつけないオーラも放ってて飲みには来るけどそんなしゃべんなかったし」
「えー!意外です!人を寄せつけないオーラは出てますけど」
「おい、わかってるけど言うな」
「でもほんと意外ですよ!飲みいってもバイト中でも竜生さんたちと騒いでるイメージしか」
「騒いでるというよりツッコミマシーンなだけだな。いつも助かってます」
「いえいえ」
「っても、たまにボケるけどな。天然ボケも入りつつ」
「天然ボケがいっちゃん恥ずいって」
「最近だと朔斗みたいなツッコむやついないから不発も多いけど」
「分析すんのやめてくんね。竜生からそれ言われるのきつすぎるって」
「朔斗さん元気なんすかね?」
「先月健人と飲みいったけど社会人頑張ってるぽいよ。一応彼女とも上手くいってるらしい」
「さすがっすね」
「まって、同じ歳で色々上手くいってないのおれだけ?」
「えっと、健人さんは結婚して子供もいて朔斗さんは同棲してます、と」
「なんなんこれえ」
「まあまあ飲めって」
「んーいっちゃいまーす!」
俺はビールを飲みきり、追加でもう一杯ビールを頼んだ。
「たかとさんってほんとにそのへんなんもないんですか?」
「たかとさんはないよ」
「いやおまえが答えるな」
「後輩たちから見れば頼れるし男らしいとこはあるしあると思うんですけど」
(としーおまえほんといいこと言うなー、そんでやっぱのせるのうまいなー)
「そうか?」
「おまえはおれを先輩だと思ってねえだろ」
「そんなことないですよー(笑)」
「はいうざいー」
「そういえばもえか彼氏できたらしいですよ」
「え!まじかーおれむりだったかー」
「歩さんは全然むりです」
「彼氏の写真見た?」
「めっちゃイケメンでした」
「やっぱ面食いだったかー」
「竜生さんはいまどうなんですか?」
「おれ?」
「竜生は浮気して別れて復縁してを繰り返してるよ」
「おいおい、浮気しては言うな」
「事実じゃん」
「事実ではある笑」
「この前はなんで浮気バレたんだっけ?」
「なんだっけかなー」
「性病移したと勘違いしてバレた」
「あゆむ、いうな」
「やば、おもろすぎ」
「竜生さんやることが違うわ」
「ほんとこれのなにがいいんだか」
「これっていうな!」
「竜生さんネタってあとなにがあるんですか?」
「竜生と歩で女寝とりバトルした」
「なんで知ってるんですか!?」
「いやおまえ自分で言ってたやん」
「うわ、いつ言ったんだろ、全然覚えてないです」
「いつだったか覚えてないけど飲んだ時言ってたぞ」
「それどういうことなんですか?」
「なんか歩か竜生の知り合いの女の子を歩の家に呼んで宅飲みしたあとどっちがその子とやるかじゃんけんしたらしい」
「それでどっち勝ったんですか?」
「あゆむ」
「さすがっす」
「竜生はバレるタイプだけど歩はバレないタイプだからね。違いはそこだけ」
「クソ男ですね」
「こんな大学生になっちゃだめだぞ」
「わかりました!」
武勇伝なのかわからない話をしながら男同士しかできない話をして、新年一発目の飲みなのに汚い話だらけで今回の飲みは幕を閉じた。
明日の新年会はこんな話から切り替えられるのか、明日もバイトで飲みか。体力すげえな俺。
あれ、今年就活だよな。まあ、いつも通り。それが大事。




