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フラグ56 変わってくもの変わらないもの

かなり涼しくなってきた10月中旬、朔斗が卒業してった後、歩は店長代行をやりだし、キッチンをやりだす人も増え、歌乃の他に優人、とし、萌香の教育係となったりと体制が少しずつ変わっていた。そして、その過程で3人とも、より仲良くなれていた。たぶん。

今日は萌香がいるので萌香とキッチンを組むだろうと思いバイトに向かった。

「おはようございまーす」

「こんにちは」

店内には見知らぬ女の子がいた。

(制服?高校生の新人とったのか)

楽屋に入ると店長がいて歌乃のときのように名札や着替える場所について説明しといてと言われた。

普通そういうの店長の仕事だろうが。

断れない性格のため、一通り説明して着替えてもらった。

「あ、そうだ自己紹介してねえや、たかとです。よろしくお願いします」

「あ、はい。小泉栞こいずみしおりです。よろしくお願いします」

お互い軽く頭を下げて自己紹介した後、店長に報告した。

「てんちょー、一通り終わりましたよ。勤怠とかはお願いしますねー」

「ありがと!しおりさん呼んできてー」

「はーい」


「しおりー!店長が呼んでるから楽屋行ってー」

「わかりました」

(東京の高校生っていっても色々いるんだなー、愛衣とは正反対だ)

栞は少し身長が高く、清楚系で髪も長く大人しめって感じだ。さっき店に入ったときも姿勢よく待っていた。


少し経つと今日シフト入っている連中が来て早めに朝礼が始まった。

「今日から働くことになった小泉栞さんです。では、自己紹介を」

「小泉栞です。高校3年生です。よろしくお願いします」


全員が自己紹介を済まし、開店した。そして、17時台は予約もなかったので店長は休憩しに楽屋に行った。

新人残して休憩しに行っていいのか、まああんなんだけどあえてバイトのみにしたってのもありそう。

竜生も歩もいない状態で誰も話し出す人がいなかったが、

(こういうときこそ、年長者らしく)

「しおり、高3なら受験は?」

「推薦なので」

「なるほどね、頭良いんだ笑」

「いやそんなじゃないですよ〜」

「ゆうとともえかは一般で大学入った?」

「僕は一般です」「わたしも一般です」

「やっぱふつーそうだよな」

「たかとさんも一般なんですか?」

「おれはー、公募推薦っていうか、なんなんだろあれ、なんか検定とってれば入れますよー的な」

「なんなんですかそれ笑」

「わかんないけど入れた笑」

(いかんいかん俺の話になってる)

「大学決まっちゃうとひまだよねー学校っていま行ってんの?」

「いや、登校日だけ行ってます」

「だよねー」

「この時期ひまって羨ましいよー」

(なんだかんだでゆうとが話広げてくれるから助かるなあ)

「受験の友達もいるのでみんなそう言ってます笑」

「大学も決まってるからバイトもしだしたってことね」

「そうです!」

「じゃあ初バイト?」

「はい!」

「まあ、しおりはできそうだから心配ないよ」

「そうですか?」

「少なくとも最初のゆうとよりは」

「ちょっと待ってくださいよ!あ、でもそうかもです」

「わたしまだなにもやってないんですけど」

「わかんないことがあったらなんでも聞きな、顔色とか忙しさとか伺わかなくていいからほんとに」

「ありがとうございます」

「ゆうとももえかもたぶん教えてくれるから、もえかは怖いけど」

「やめてくださいー、こわくないですよー」

「いやもう女帝のオーラ出まくってるぞ」

「でてないですよー」

「ただ、たまにポンコツだけど」

「それ違いますって〜」

「だってキッチンやるといつもなんかしら落としてるじゃん」

「それほんとたまたまたかとさんとキッチンやるときだけなんです」

「いや、この前たかとさんいないときでも皿割ってましたよ」

「おい、いうなよー」

「ま、みんなこんな感じだからなんかあったらきいてな」

「わかりました!ありがとうございます!」

(緊張がとけたっぽくてよかった)


店長が戻ってきてから栞は店長から提供の仕方などを教わっており、今日は来店が少なかったため、俺は萌香と話しながらキッチンをやった。

「大学入学してから半年経つけど慣れた?」

「慣れましたよー」

「サークルとか入ってるんだっけ?」

「いや、入ってないですね、入るタイミング見失って笑」

「あー朔斗タイプか」

「朔斗さんもサークル入ってなかったんですか?」

「そー、朔斗も入るタイミングなくなってめんどくさくなったから入らなかったって言ってたな」

「そーなんですね、たかとさんは野球部はいってるんでしたっけ?」

「入ってただけど、そうね」

「やめちゃったんですか?」

「いや、3年の秋までだからちゃんと引退したよ」

「そうなんですね!知らなかった、お疲れ様でした」

「ありがとうございました笑」

「なんでサークルじゃなくて部に入ったんですか?」

「そもそも軟式野球部に入りたくて東彩入ったからさー、っていっても週2で楽しくやってるって話きいたからだけど」

「え!じゃあ野球部入るためにそこの大学にしたってことですか?」

「まあそうだけどそんなかっこいいもんじゃないよ、やりたいこととかないしさっき言ったみたいにちょうど枠が空いてたからさ〜」

「それでもすごいですよ!それで上京してくるなんて」

「そもそも一人暮らししたかったからね。萌香はなんでいまの大学にしたの?」

「わたしも特にやりたいこととかなかったのでとりあえず入れる大学に入ったってかんじです」

「そんなかんじする笑」

「ほんとたかとさん私のこと見破りますよね笑」

「半年もいて一緒にキッチンやってればわかるよ笑クールにみえてポンコツだって」

「クールにしてる気はしないんですけど笑」

「でも人に興味はないでしょ?」

「そうです笑」

「いまはそれでいいと思うよ」

「いまは?」

「栞が入ってきたり、自分が上になってくると色々教えないとだしそんなことも言ってらんないからさ〜」

「たかとさんもそうだったんですか?」

「そーだよ」

「意外です。ちゃんと教えてくれますし注意もしてくれますし、ちゃんと褒めてもくれますし」

(あー今の言葉健人たちに聞かせてあげたい)

「自然とそうなってくるよ」

「そうなんですかねーできればいいですけど」

「とりあえずいまはキッチンいつでもまわせるように頑張ろう!」

「はい!」


最近はこんな感じで暇な時は話したりしている。1年前までは健人とか以外には話しかけようとも思わなかったのに、少しだけあの頃の自分を取り戻せているのだろうか。



少し経ってから休憩に入りスマホを見ると歩からRINEが来ており、今日飲みに行く誘いだった。

バイト後竜生さんと健人さんと飲みません?

いく!

ないすですいつものとこでまってます

ういー


まあ、明日2限からだしバイトないしいいよな。


休憩が終わると同時に栞があがりとなり、挨拶をして帰って行った。

今日は比較的空いていたので早めにクローズ作業が終わり、終礼も話すことなくバイトが終わってからすぐに店を出られたので歩にいまから向かうと連絡した。


そして俺は約束通りいつもの居酒屋に向かった。

「おまたせしやしたー!」

「ういーおつかれー早かったね」

「空いてたからね、そっこーで閉めやって終わらせてきた!」

「さすがすぎる笑」

「あ、ちゃんと生頼んでおきました!」

「さんきゅー!」


「じゃあ全員揃ったということで、かんぱい!」

「かんぱーい!」

全員グラスの半分ぐらいまで飲み干したところでグラスを置いて健人が話し出した。

「ほんとは朔斗も呼びたかったんだけどね」

「さすがに入って1ヶ月じゃ忙しいら」

「そー、さすがに誘えなかったわ」

「そういえば健人パパおめでとう!」

「あざすー」

「いまどんくらい経った?」

「3ヶ月かな」

「男?女?」

「女の子ー、めっっっちゃかわいいよー」

「やっぱそういうもんなんだ」

「たかとは子ども嫌いだもんな」

「嫌いだったけど苦手ぐらいにはなった」

「それなにが違うん?」

「嫌いは一方的で関わりたくないじゃん?苦手は関わらなくちゃいけないだよ」

「絶妙にわかんねー」

「ほらやっぱ大人として子どもは守らなきゃいけないから嫌いとかいってらんないじゃん」

「苦手も同じなのでは?」

「気持ちの持ちようだよ!」

「なんやねんそれ笑」


すると残ったビールを飲み干して健人が言った。

「なんかさーこの前も思ったけどたかと変わったよね」

「そー!それは俺も思った!みんなと話すようになったしなんか変わったよ」

「え!?」

「えーそうですか?僕はたかとさんそのまんまだと思うんですけど」

「おい」

「俺と健人はたかとに会う頻度少ないからかなー」

「でも俺と竜生はたかととは付き合い長いし違うってのがわかるよ」

「えーなんかうれしいわー、ここ数ヶ月色々あったからね」

「マネさんのこととか?」

「それはいいって!」


再び健人が真面目な話に戻し、

「でもさーいつだか忘れたけど髪型変えた時めっちゃ良かったしそこまで外見悪いわけでもないんだよね」

「え?」

「そう!おれもそう思う」

「え?え?」

(このイケメン2人に言われると自信がみなぎるんだけど)

「服装ももうちょい変えてみたら?」

「買うお金が」

「アニメに使ってるもんな」


珍しく俺の話題になり健人がさらに俺に質問した。

「そもそもなんでアニメ好きになったの?」

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