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フラグ34 バイトの新人

部活の勧誘を手伝った日から2日後、今日は17時入りでバイトだ。今日は店長もいるしそろそろ新人が入ってくるだろうと予想し少しだけ早めに家を出た。

「おはようございまーす」

「おはようございます。今日ちょっと早くないですか」

「なんとなく早く家を出たので、、」

「ちょうどよかったです。今日からの子がいるので名札とか見てもらってもいいですか。バイトの制服も楽屋の中になりますので」

「いいっすよ」

店長と話しながら着替え新人の子を待った。

「おはようございまーす!」

「なんだお前か」

「なんすかその反応」

来たのは歩だった。

「今日からバイトに入る子かと思ったのに」

「今日から新しい子入ってくるんすね。楽しみっすね、女か男か聞きました?」

(はじめに女かって出てくる時点でこいつは)

「いやなんも聞いてなかったな」

「そこ大事っすよ」

「おまえはほんと」

「とりあえず着替えてきますね」

クソみたいな会話をして少し経った後だった、扉を開く音が鳴り、バイトならすぐにおはようございますと言うところこんにちはと聞こえたので入口に向かった。

「今日から働くことになった、中川歌乃で、す、、って先輩!?」

「え!歌乃ちゃん!?」

「ここでバイトやんの!?」

「はい!」

「えー!まじ?」

「まじです」

「どーしたんすか?」

「この子一昨日うちの部のマネージャー志望で入部することになってんだよ」

「え!まじっすか」

「と、とりあえずえっとバイト着!こっち来て」

俺は店長から頼まれた通りバイト着を渡し着替えてもらった。

「荷物は楽屋に置いて、あと名札かこれ使って」

「分かりました」

近くにあった名札をとり歌乃に渡して名前を書いてもらった。

「それと名札の名前は基本下の名前で」

「危なかったです中川って書こうとしてました」

「だよねだよねごめんごめん」

その後、勤怠のつけ方など教え店長に振った。

「てんちょー一通り教えましたー!」

「ありがとう!じゃあ早めに朝礼やるからキッチンの前に集まって」

「わかりましたー!」

キッチンの奥から声がしたので既存のバイトと歌乃が集まり朝礼が始まった。

「今日からの中川歌乃さんです。自己紹介をお願いします」

「はい!中川歌乃です。東彩大1年で軟式野球部のマネージャーをやります。バイトは初めてなので皆さんよろしくお願いします」

拍手しその後の自己紹介は店長から俺に振ってきた。

「じゃあ同じ部のたかとから自己紹介を」

「えー佐々木貴翔です。東彩大の3年です。よろしく」

「それだけですか?」

「いやもうお互い基本情報知っているので」

「じゃあ次は歩で」

その後は既存のバイトと店長が自己紹介をし朝礼は終わった。今日も俺はキッチンだが店長からキッチンからでも歌乃さんのことミスのないよう見といてくださいと指令が下った。

新人の教育は店長がいるので店長が行い、箸やトングなどの備品の説明、席に卓番がふられていることや食べ物や飲み物の提供の方法など教えていた。1時間もすると実践に移りそこからは歩も見守りながら仕事をしていた。

食器の洗い物をしているとちょうど歌乃が食器を持ってきた。

「先輩これどこに置けばいいですか?」

「あーそれはそのへん置いとけばいいよ、箸はこっちに入れといて」

「分かりましたありがとうございます!」

「あとバイトで俺だけ先輩っていうのなんかむずがゆいからたかとでいいよみんなそう呼んでるし、部活の時はまあ任せるわ」

「じゃあたかとさんで!」

「おう、ありがとね」

「いえいえ!」

そう言うとホールへ戻って行った。

(やっぱ元気な子だったんだな、一昨日は緊張してたんだろうな。たぶん今は歩とか話しかけてるしだいぶ緊張がほぐれたんだろうな)

21時前になり、店長に言われて休憩に入った。その後すぐに歌乃と店長が楽屋にやってきて歌乃は初回だったのでこれで上がりなのだという。

「お疲れ様でした。今日覚えたことはなるべく忘れず次回から反復していって仕事を覚えていきましょう」

「はい!」

「それじゃあお疲れ様でした」

「お疲れ様です。ありがとうございました」

その時俺は歌乃は賄い食べるのか気になったので店長に聞いてみた。

「店長、歌乃って今日賄いたべていいんすか?」

「今日はそうか今日はねえ、、」

おそらく休憩=賄いとなっているので4時間だけ働いて賄い食べるのもと思っているのだろう。

「今から帰って作るのかわいそうなんでどうにかならないすかね」

「んー貴翔がそう言うならいいよ」

「だってさどうする?食べてく?」

「ぜひ!おなかすいたので」

「じゃあ俺も作りに行くし一緒に作りに行こうか」

「ありがとうございます!」

「そういうことなんで店長、俺が教えときます」

「そうかそうかありがとう」

そう言って店長は楽屋を出ていった。

「なんか無理やり感あったけど本当に食べてくでよかった?」

「いえ、本当にお腹すいてて家帰ってからどうしようかと思っていたので助かりました」

「ならよかった、じゃあキッチンに行こうか」

「はい!」

俺は賄いで食べていい肉など作る上でのルールを一通り教えながら自分の賄いも作った。うちは米はいくらでも食べていいのだが、歌乃は女の子にしてはそこそこお米を盛って一緒に楽屋に戻った。

食べている間は俺と歌乃は話すことも無かったが、たまに歌乃を見ると大きい口を開けて食べていた。ひと口で食べる量が多く食べるのが好きなんだなと思った。そして、歌乃が食べ終わるタイミングで俺も食べ終わった。

「食べ終わったら洗い物持ってく時みたいにシンクの横に置いといてくれればいいよ。今日はこのまま帰るから食べ終わったらすぐに持ってくけど普段は休憩が終わったら置きに行くからそのタイミングで」

「わかりました、ついでなのでたかとさんの食器も持っていきますね」

「おーありがとう」

(さすがに気を張ってて疲れたのか、だんだんと元気が)

食器を片付け歌乃が戻ってきたのであとは着替えて帰る時にみんなに挨拶して上がっていいと思うよと言った。

着替えて楽屋に再び戻って来ると荷物をとって帰り支度を整えると

「お疲れ様です。ありがとうございました。」

「おーおつかれ、また部活っていうか新歓でな」

「はい!また!」

そう言って歌乃は楽屋から出て帰って行った。

(にしてもとんでもない偶然だよなバイトまで一緒とは、、部活とバイトだと俺ちょっとキャラ違うから恥ずかしいんだよな)

そう考えていると店長が売上を見に楽屋に入ってきて歌乃のことを聞いた。

「どうです?歌乃は」

「初日にしてはよくやってくれましたよ。仕事覚えるの早いですし初バイトとは思えなかったですね」

「そーすか、なら良かったです」

そう話すと休憩の時間が終わったので俺はキッチンに戻った。

ここからはいつも通りにクローズまで終わらせ楽屋に戻り荷物をとって一段落する。

「歌乃可愛かったですね」

そう言って近づいてきたのは誰でもない歩だ。

「あ?お前と竜生だけは近づけさせねえよ」

「全然本当に狙ってないんで安心してください。でも可愛いのは確かですよね?」

「いやそれはそうだけども」

「さすがに先輩の直属の後輩には手出せないですよ」

(おまえは酔った時があぶねーんだよ。あとお前の女たらし具合に引っかからないか心配なんだよ)

「仕事的にはどうだった?」

「教えたことすぐできて吸収するのですごいですよ」

「あーやっぱそうなんだよかった。店長にも聞いたけど仕事覚えるの早いんだってな」

「これからが楽しみですね」

その後は着替えてバイト先を出た。

歌乃はある意味部活よりもバイト先の方が危ないヤツはたくさんいるぞと思いながら自転車を漕ぎ、なんとか今後も辞めずにいてくれることを願った。

人のことを気にしている暇もなく3月から続いているリーグ戦も来週で最終戦となるのでなんとか勝ち続けているのだが、厳しい戦いが続いている。

3年の前期の授業が始まったりもあるがこの1ヶ月を乗り越えればAllceanのライブが待っているのでなんとか生き抜くぞ。

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