フラグ16 陽キャ復活!
12月になり部活がオフ期間に入りまだ期末週間が残っているがバイト三昧となった。そして、バイトには竜生が復帰し騒がしくなった。ある日、バイトへ行くとなにやら竜生と歩が話していた。
「初めまして竜生です!よろしく!」
「初めまして歩です。よろしくお願いします」
(そうか、11月まで竜生が入ってなかったから歩とははじめましてなのか)
「おいっすー」
「おいっすー」
「おはようございます」
今日の主要メンバーは俺と朔斗、竜生、歩だ。キッチンは俺と朔斗、ホールは竜生と歩という布陣だ。いつもより一層騒がしくなりそうだ。
営業が始まると竜生と歩は暇さえあれば話している。
「はーい!24卓様食べ放題でぇす!」
「はいよー、相変わらずうるせえな竜生は」
「しょうがない、あれが竜生だからな」
実際、竜生がいなかった数ヶ月は静かな営業だった。陽キャでムードメーカーでもあった竜生がいないと誰もボケず誰もツッコまずになっていた。俺もおもしろ枠におそらく入っているが全員を笑わせることはできない。竜生は全員を楽しませる才能があるのだ。
営業が終わる頃には竜生と歩はすっかり打ち解けていた。
「今日飲み行けるひとー!」
「はーい!」
俺と朔斗が返事をし歩は少し渋っていた。歩はあれでも頭の良い大学だし期末週間だし勉強したいのだろう。俺もレポートとかあるけどまあ大丈夫だろう。同じ大学の竜生と朔斗も行くしここで行かなきゃノリが悪い。
「歩、行けるっしょ!」
「テスト来週なんすよね」
「大丈夫大丈夫いけるいける!」
「えーー、じゃあ行っちゃいます!」
「おっけー!健人も呼んどくわ」
そうと決まると俺を含めた4人は速攻で着替え居酒屋へ向かった。
「健人は?」
「とりあえず先入ってるって言っといた!」
「おっけーじゃあ5人ね」
居酒屋に入ると先陣を切った歩が店員に指で5と表しすぐに席へ案内された。少しすると店員がおしぼりを持ってくると同時に注文を取ろうとした。
「お飲み物お決まりでしょうか」
「えっと生が、、4でお願いします。食べ物はまた頼みます」
「はい、失礼します」
こういう時、話を切り出すのはやはり竜生だ。
「歩は飲めるんだっけ?」
(なんだその前聞いたことあるような質問の仕方は。今日会ったばっかだろ)
「いやまあそこそこです」
「生は飲める?」
「一応飲めます」
「かっけえ!」
(内容うっすー)
「もうみんなと飲みいった?」
「健人さんと朔斗さんとは飲みいったんですけど」
「貴翔とは行ってないのか」
「そうですね」
一旦話が終わると飲み物が運ばれてきて竜生が乾杯の音頭をとった。
「じゃあ、はつ歩かんぱーい」
「ういーおつかれー」
「んーー!いっちゃんうまい!食いもんなんか頼もうぜ」
「何にします?」
「すっかり仲良くなってんのなあの2人」
「異常すぎるな」
「類友なんだろ、歩からのクズの気配するしな」
食べ物を頼んでいると健人が合流してきた。
「ういーおつかれー」
「ういっすー」「お疲れ様です」
「健人さん何にします?」
「生で」
「じゃあ生5でお願いします」
ちょうど無くなりそうだったこともあり人数分頼んだのだろう。本当にできた後輩だ。
「今日は?この4人と他新人とかがシフト被ってたの?」
「そうそうそう、流れでこんな感じに」
「なるほどね」
竜生と歩が今日初めてシフト被ったことや営業こととなどを話しているとさっき頼んだ飲み物と食べ物が来ると再び乾杯をする。
「じゃ、おつかれー」
「ういー」
2杯目を飲み終わる頃に俺は異変を感じた。歩の顔が赤すぎる。竜生も感じたのか
「歩顔あっか!」
「そうなんすよ、めっちゃ赤くなっちゃうんですよね」
「とりあえず3杯目いっちゃおうよ」
「それはみんなでいきましょうよ。竜生さん飲んでください」
「1回先に頼んどいて」
「分かりました」
竜生以外お酒を頼み来るとすぐに
「野球部イッキやっちゃおう!」
「じゃあこれ飲んだら頼めよ、歩やるぞ」
「分かりました」
「かんぱーい」
俺は余裕だったが歩は頑張って飲んでいた。
「はい、じゃあ頼めよ」
「おっけ、おっけ、すみませーん!注文いいですか?」
竜生が頼んでいる姿に俺と健人と朔斗はいつものことかと目を合わせた。
すると歩がトイレ行ってきますと言い御手洗へ向かった。
「まじでおもろいやつ入ってきたな」
「最近微妙なやつばっか入ってたからまじ助かったわ」
「あとは店長のだるさを乗り越えればいけるな」
「それはいけるだろ野球部だし」
「あれ、貴翔のとことは違うんだっけ?」
「そうそう、リーグが違うからあんま戦わないね練習試合くらい」
「へえー」
「あれでも2こ上の代でレギュラーで出てたからすげーよ」
「それはすごいわ」
ここにいる全員元運動部だからすごさが分かるのだろう。そんなこんなで4人で話していても歩がトイレから帰ってこない。
ちょっと俺見てくるわと竜生(ようやく3杯目)が言い俺もついて行った。すると1つ個室に鍵がかけられていた。おそらく歩だろう。
「あゆむー!大丈夫かー!1回あけろー!」
竜生がそう言うと無言で鍵が開けられた。
「あ、すみません」
(こいつ激弱じゃねえか!それすらも竜生と同じなのか竜生のがまだ飲めるけど)
「まあ寝てなくて良かったわとりあえず落ち着いたら戻ってこいよー」
「はい」
俺と竜生が席に戻ると健人と朔斗が笑っていた。
「死んでた?笑」
「死んでた」
「あいつ前に飲みいった時も3杯目くらいでトイレこもってww見に行ったら、なんか得体の知れない黒いゲロ吐いてたんだぜww」
「何食ったんだよ笑」
「しらねえ笑その後少ししたら戻ってきたけど顔真っ白になってんの笑まじくそ笑った」
「想像させんなwww」
「だからほっといて大丈夫だろ」
20分後ようやく歩が戻ってきて自分からレモンサワーを頼んでいた。こいつバカだなと思った。
「そういえば再来週あたり球技大会やるらしいよ、咲さんとかなこさんが企画しようとしてた」
咲さんとかなこさんは2こ上の人でこのバイトで女帝として君臨している。
「まじ!?楽しそーじゃん!」
「いつかきいてる?」
「たしか12月26日だったかな」
「うわ!俺シフト入ってる!」
(うわー渡瀬来る当日だ。でも他の人バイトもあるから昼とかだよな)
「竜生ならいいかって思ったんじゃね、俺も健人も入ってるし」
「じゃあいっか」
「貴翔は?」
「俺もう25でバイト納めだから入ってねーよ。でもその日友達来るからそっこーで帰んないと」
「そうなんだ、貴翔24空いてるけどなんかあんの?」
「ねーよ!24も25もシフト出したらなんか24削られたんだよ!」
「なにそれ笑」
「なんか店長に変な気使われた笑まあ来年も再来年も勇ましく君臨してるんだろうな」
「わかんないよ?何が起こるかは」
「いやないね、もはや再来年まで入ることを目指してるまである」
「たかちゃんやっぱおもしろいわ」
「お前も同じだろ!」
「いやわかんないよ?」
朔斗も同じかと思っていたがこいつはイケメンだしヘタレが直ればいつだって付き合う女はいるだろうと思い、自然と生まれたあだ名には見向きもしなかった。
その日もいつも通り5時ぐらいまで飲み、歩を生き返らせみんな無事に帰っていった。
俺、竜生、健人、朔斗と新しく入った歩、部活のみんなとは違うがこのバカみたいなのも落ち着くと思った。




