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フラグ11 Sフラグ2

「私、貴翔のこと好きかも」

「え、俺もさゆりのこと、、」

ガバッ(なんだ夢か、なんちゅー夢見てんだよ寝る前にさゆりと会ったからかな。てか名前呼びの破壊力やべえ)

そんな気持ち悪いことを考えていても時刻はまだ午前5時。いつもより早く寝たせいもあって早く起きてしまった。

(まだ朝食まで時間あるな、昨日のアニメ地方だから見れなかったけど動画配信で上がってるから見るか)

一通り見終わっても6時、8時から朝食なのでもう一眠りすることにした。

「起きろ、サッサ起きろ朝飯の時間だぞ」

「え、ああ、ありがとう。飯行くか」

朝食バイキングへ向かうとちょうどマネージャー組と鉢合わせた。

「おはよー」

「おはよー」

(やばい、ぜんっぜん顔見れねえ)

夢のこともあってかさらにぎこちなくなってしまった。

朝食を済ませ部屋に戻り準備を済ませバスへと向かう。

「おはようございます」

「ういっすー」

先輩たちに挨拶してもやや元気がない。やはりみんな朝が弱いのだろう。

昨日の球場へ向かい、キャプテンからの指示があった。

「皆さんおはようございます。いよいよ1回戦です。前の試合が終わり次第ベンチに入れるのでベンチ入りメンバーは8回になったら1塁側のダグアウトに集合しといてください。絶対勝ちましょう!一旦解散で」

俺はとりあえずトイレに行くなり試合を見るなり1人にりたかったので1人で行動をして8回を待った。

8回に差し掛かるところでグループに連絡が入り集合がかかった。指示通りダグアウトへ行くとほとんどの人が集まっていた。

前の試合が終わり、前の学校がベンから出ると一斉にうちのチームがベンチに入る。

「各自アップしてキャッチボールまでよろしく」

キャプテンがそう伝えると各自アップを始め、30分もするとキャッチボールまで終わった。

その後、メンバー発表を行った。当然俺はスタメンではなく、伊勢、陽もスタメンから外れた。

ノックを行った後で円陣を組む。

「1回戦、まずは1勝しましょう!みんないつも通りやれば勝てるので楽しんでいきましょう!さあいこう!」

「よーし!」

さすがに全国となればいつもとは違う。先輩たちもピリピリしているしそれを見て今のような円陣をしたのだろう。

その掛け声とは裏腹に初回からフォアボールやエラーを連発し5回終了して5-0。

7回の攻撃に陽が代打へ送られヒットを放ったがあとが続かずこの回も0点。最終回最後の攻撃は梅澤から。梅澤はこの日2本目のヒットを放ち、その後フォアボールとヒットで繋ぐと打席にはキャプテンが入る。初球を打ち損じダブルプレー、流れが止まったせいか最後のバッターも打ち取られ試合終了。うちのチームは1回戦敗退となった。

エースやキャプテンは自分たちのミスもあり悔しそうにしていた。その後ホテルに帰るまではいつものムードはなくお通夜ムードだった。

しかし、そんなムードも夕食に時間になると一転しいつもの感じが戻ってきている。さすがに切り替えが早すぎるよ。と思ったがまだ秋リーグもあり大学の軟式野球となると泣くほどのものじゃないのだろうと思った。

夕食の後先輩たちの提案で外で飲もうということになった。近くにコンビニがあったのでそこでお酒などを買い、あまり目立たないところで外飲みをすることとなった。

この人たちも旅行気分なんだろうなと思った。

「今日は負けてしまいましたが秋リーグに向けてまた頑張りましょう!お疲れ様でした!かんぱーい!」

「かんぱーい!」

俺はいつも通り伊勢やようなど同学年と飲んでいた。

近くで先輩たちが話しているのをきくともうエースやキャプテンをいじり倒している。

「お前まじフォアボール多すぎ!なんとかしろよあのコントロール」

「うっさい!秋リーグ見とけ絶対抑えてやるから!」

「あの流れで初球打ってダブルプレーはないわ」

「あれは完全打ち損じた!秋リーグ打てばいいだろ!」

と、いつも通りヤジも入ってるが落ち込まずちゃんと切り替えられてるのはすごいなと思った。

なんやかんやで外飲みということもあり苦情が来るのがこわいので2時間ぐらいで終わった。しかし、これもいつも通りで各自部屋で集まって飲もうという話にもなっていた。

俺も今回は同学年の数人で飲もうと誘われたがこの後見たいアニメがやるからとその後でと言い一旦片付けに加わった。

飲み終わった缶や瓶を集め一旦どこかの部屋で匿うこととなった。こちらもいつも通りジャン負けの流れで俺の部屋で匿うこととなり、片付けの最終確認まで押し付けられた。

(やっぱ運ねえなあ)

そう思っていたらさゆりから連絡が入っていた。

ちょっとコンビニまで来てくれる?

そういえばさゆりの姿をあまり見かけなかった。酔いつぶれてるのかと心配しつつすぐにコンビニに向かった。

コンビニに着くとコンビニの前で座っていた。いやうずくまってるに近い。

「おい、大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫、ちょっとね、あれそのゴミ袋たちなに?またジャンケンでも負けた?笑」

「今はいいから、まじで大丈夫なん?」

「あはは、昔からちょっと動きすぎると体が言う事聞かなくなるんだよね。あ、でも大きい病気とかじゃなくて関節周りっていうか筋肉のなんかで説明しにくいんだけど全然心配しなくて大丈夫だよ。」

「ほんとか?」

「うんうん、ほんとほんとちゃんと診断も受けてるし半年に1回病院いってるしね」

「なんか、えっと、一瞬で戻るからちょっとまってて」

俺はコンビニで飲み物を買いすぐに戻った。

「とりあえずなんか飲みもん買ってきた」

「あはは、別に意味無いけどありがとう」

「なんか、ど、どうすればいい?」

「テンパりすぎだって、大丈夫大丈夫少し動かなかったら動けるようになるから一緒にいて。防犯のために笑」

「わかった」

「そこは番犬かいってツッコむとこでしょ?」

「こんな状態のやつにツッコめるか」

「ツッコんじゃってるよ、あはは」

「、、、」

「優しいんだね」

こんな状態のやつ見れば誰だったそうする、と言いたかったがまたからかわれそうだったのでやめた。

「うっせー、、」

その後会話もなく5分ぐらい時間が過ぎたと思う。

「ねえ、、、」

さゆりから話を切り出そうとしたところで俺のスマホが鳴った。陽からだ。

「あ、ごめん」

どうぞと手を出したので俺は電話に出た。

「もしもし、今どこいんの?もうアニメ始まってんぞ」

そういえば陽と伊勢ともアニメを見る約束をしていたのを忘れていた。

「あ、えっと、ごめんちょっと行けねえわ飲みには行けるからごめん待ってて」

「りょーかーい。はよ来いよ」

「おけーごめん」

そういえばもう23時過ぎてんのか。でもさすがにさゆりほっとけないし。

「誰?どうせ陽でしょ?」

「あーうん、どこいるかって」

「さすがにみんな心配しちゃうよね。だいぶマシになったから行こ」

「マシにって動けんの?」

「まあまあ長年この病気と付き合ってんだから任せときなさい。でもごめん肩は貸して」

(肩貸す?なんだこのリア充イベント、なんていうラブコメアニメだ?)

「え、ああ、いいけど」

「さゆりちゃんの肩貸せるなんて光栄だと思いなさい、なんて笑」

「冗談言ってないで、ほれ」

「一応真帆さん(3年のマネージャー)に連絡して入口まで来てもらうね。さすがにこんな状態をみんなに見られたら恥ずかしいや」

この状態の意味は今の俺とさゆりの状態を意味しているのかさゆりの体の状態を意味しているのかその時は分からなかったが、それどころじゃなく考えるのは後回しにした。

入口まで行くと真帆さんが待っており真帆さんから見えるか見えないかぐらいでさゆりは俺から離れた。

数秒差で俺も入口に着き真帆さんからありがとうとお礼を言われ2人が部屋に戻っていこうとしていると再びさゆりが俺に歩み寄り飲み物を奪い取るとさゆりがこう言った。

「貴翔、ありがとう」

一瞬何が起こったか分からなくなっていると手を振りながらさゆり達は部屋に戻っていった。

(なんだそれえぇぇぇ!上の名前とかあだ名とかで呼ばれてたけど下の名前はやばいだろ)

「クリティカルすぎるって、、、」

バイトでは下の名前なんて呼ばれ慣れていたが日頃呼ばれていない人から呼ばれるとかなりえぐい。

思春期男子か。

うるせえ。


ただそんなことがありつつもさゆりはあんな状態になっても笑顔を絶やさなかった。そして、昔からその病気がありつつもそれと向き合ってあんなに明るく生きていてとても強い女の子なのだろう。好きと同時に俺は彼女を尊敬した。



「ただいまー」

俺は部屋に戻ると伊勢と陽と一緒に見ようと約束していたアニメがちょうど終わっていた。

「おかりー、遅かったね何してたん?」

「いやまあ、ちょっとね」

「なんだそれ、告白でもしてたん?」

「それはアニメの見すぎだ」

内心ドキッとしつつこれ以上聞かれるとめんどくさいので話題を変えた。

「それより今日の回どうだった?」

「ネタバレしていいん?」

「いやだめ!」

「言ってること矛盾してっぞ。まあかなり良かったとだけ言っとくよ」

「くっそー見てえ!」

「ま、とりあえず梅澤の部屋行こうぜ」

「そ、そうだな」

(同学年で飲むのも忘れてた。変なこと口走らないように気をつけよ)

陽と伊勢と話した後、梅澤の部屋に向かい2時間ほど飲み解散となった。陽と共に部屋に戻り寝るまで陽が何が言いたげだった気がした。

とにかく今日はお酒も入っていることもありかなり睡魔がきていたので寝た。


翌日、8時半頃に目が覚めると陽はもう起きていた。

「お、そろそろ起こそうかと思った」

「あーおはよー」

「二日酔い?」

「いや、大丈夫」

「飯何時からだっけ?」

「9時からだね」

「んー昨日のアニメ見てえ」

「ギリいけるっしょ」

「じゃあ見ちゃいまーす」

動画配信サイトでもう上がっていたので見ることにした。

その回は告白回だった。主人公がヒロインに告白する回で夜の堤防で告白するシーンがあった。この回を見て昨日の伊勢は告白でもしてたと聞いたのか。

「やばいね、めっちゃ良かったわ」

「お、見終わった?やばいよねめっちゃ良いよね」

「そう、あの告白シーンがさ、、あ、もう9時かしゃーない飯行くか」

「ま、この話はバスの中で話そう」


朝食を終え帰り支度をし自分の荷物と昨日のゴミ共にバスへ向かった。

「それ昨日のゴミだよね?ありがとう、学校着いたらこっちで片しとくよ」

「ありがとうございます」

真帆さんからそう言われバスの中へ入った。

帰りも休憩を挟みつつ昨日のアニメの話をしつつ東京へ戻った。

「みんなお疲れ様でした!秋リーグも頑張りましょう!」

キャプテンがそう伝え、各自帰っていく。

俺も色々疲れきったので色んな人に挨拶しつつ帰路に着いた。

挨拶した中にさゆりもいたが少し照れくさそうにしていた。移動中も顔を合わすタイミングがあったが同様に照れくさそうにしていた。さすがにあんなことがあればさゆりであっても恥ずかしいのだろう。俺も全く目が合わせられなかったが。

次会う頃にはいつも通りに戻っているのだろうと思っていた。

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