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怪盗Rと怪盗A  作者: 瑠奈
TARGET11 ~怪盗達の正体~
198/203

電話

「待て、フォーマルハウト。奴が出た」


 フォーマルハウトを制したベクルックスが、教室に来て初めて口角を上げる。



「……ん? 電話?」


 自室でパソコンを操作していた相賀は、手元に置いていたスマホが震えているのに気づいた。画面には、非通知と表示されている。


「…………」


 しばらく画面を険しい表情で見ていた相賀は、通話ボタンをタップした。


「……もしもし?」


『人質を取らせてもらった』


 出し抜けにそう言われ、相賀の思考が停止する。


「……は?」


 声だけで、相手が誰だかわかる。だが、人質が誰なのかは分からない。


『一時間以内に来い。さもなくばどうなっても知らない』


「ちょっと待て! お前、今度は何しやがった! 今どこにいるんだ!」


 思わず机に手を付き、乱暴に立ち上がる。



「……」


 相賀の怒鳴り声に思わずスマホを耳から離したベクルックスは、フォーマルハウトと交戦中の実鈴にスマホを向けた。


「言いたいことがあるなら言え」


「っ!」


 フォーマルハウトの回し蹴りを紙一重で避けた実鈴はクッと奥歯をかみ締めた。


「……貴方達は絶対に来ないで! どうなるか分からない! ここは私が――」


「はっ!」


「きゃああ!」


 ハイキックをガードしきれなかった実鈴が後ろに吹っ飛ぶ。



『佐東……!』


 電話の向こうから聞こえた男の声に、相賀は顔色を変えた。


「お前まさか、人質って……!!」


 間違いない。今の声は、永佑のものだ。


『もう一度言う。一時間以内に来い』


 ベクルックスの冷たい言葉を最後に、電話は切れた。


「ざけんなっ!!」


 怒鳴り返しても、終話音が虚しく流れるだけだった。


「くそっ!」


 相賀はすぐにグループ通話を開始した。


『もしも――』


「全員海音の家に集合しろ!!」


 出た相手が誰なのかも把握しないまま相賀は叫んだ。


「組織が皆を……クラスメート達を人質に取った!!」



「学校の防犯カメラは、各教室にはついてない。奴らの動きが分からないから、相当危険だ。警察には連絡する?」


 伊達メガネを外した海音がパソコンから顔を上げる。目の前には、コスチュームを着た相賀達が顔を強ばらせていた。


「……呼ばなくていい。多分、学校の周りにも奴らがいるはずだ。警察を呼んだら気づかれるし、中にいるベクルックス達が何をしでかすか分からない」


 相賀は唇をかみ締め、ダンッとテーブルに拳を叩きつけた。


「くそっ! ここまではしないと思ってたのに……!」


「…………」


 病院から抜け出してきた翔太は相賀を鋭い目で見ていた。


「ねえ、早く行かないとまずいんじゃない?」


 瑠奈が口を開いた。


「ベクルックスのことだから、多分……フォーマルハウトも連れてきてると思うんだよね。実鈴が……」


「わかってる。てか、恐らく確実に来てる。電話の向こうで、実鈴が誰かと交戦してたんだ」


「え……っ」


 雪美が息を飲む。


「今じいやに車回してもらってるから、もうすぐ来ると思う」


「……わかった」


 相賀の拳が、微かに震えている。


「……木戸君」


 翔太は相賀にそっと声をかけ、部屋を出ていった。

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