表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗Rと怪盗A  作者: 瑠奈
TARGET11 ~怪盗達の正体~
194/203

クラスメート

「あーさみぃ……」


 翌日の昼休み。慧悟と竜一は教室の隅に設置されたストーブの前で暖をとっていた。


「あ、そういえば知ってるか? 竜」


「あん?」


「翔太が休んでる理由、職員室に行ったら偶然聞こえたんだけどよ」


 慧悟が言うと、竜一は驚いて目を見開いた。


「高山の? 体調不良じゃねえのかよ」


「僕もそう聞いてるけど」


 と、ストーブの前の席に座って本を読んでいた翼が振り返った。


「そうじゃないらしいぜ。なんか、ケガで入院してるとか」


「は!?」


 驚いた竜一が、思わず大きな声を出す。すると、教室にいたクラスメートが全員三人を振り返った。


「あ……悪ぃ」


 竜一はバツが悪そうに肩をすくめた。


「どうしたの?」


 課題をやっていた香澄が尋ねる。


「慧悟、この際言っちまった方がいいぞ」


「……だろうな」


 ため息をついた慧悟はクラスメートに同じことを話した。


「入院するほどのケガって相当のものだよね」


 愛が顔をしかめる。


「普通に考えれば交通事故だと思うけど、冬休み中、この辺りでそんなのなかったしな」


 光弥も腕組みをして険しい表情をしている。


「問題なのは、どうして先生がそれを教えてくれないのかってことかな」


 メガネを押し上げた明歩が言う。


「確かに! 別に言ってくれたっていいよね。心配だし」


 柚葉が言うと、香澄も頷いた。


「教えられない理由でもあるのかな……」


 翼は机に置いた本を見ながらボソッと呟いた。



 その頃。永佑は授業の準備をしていた。その脳裏に、翔太の声が蘇る。


『僕が入院したこと、クラスメート達には言わないでください。心配かけたくないし、お見舞いとかに来られるとちょっと……』


(なんだよ、お見舞いに来られたくないって……でもさっき、黒野が職員室に来た時、教頭達が話してたからな。聞こえたかも……)


 デスクに散らばった書類をまとめてファイリングし、パソコンをスリープにする。


「そろそろ行くか」


 椅子から立ち上がった時、ズボンのポケットに入っているスマホが震えた。


「ん? ……メール?」


 知らないアドレスからだ。基本、そういうメールは開かないようにしているのだが、なにか嫌な予感がする。このメールを開かなければいけないような気がする。


 永佑は少し震える指でアプリを起動した。メールを読んだその目が大きく見開かれる。



「あ、雪降ってる」


 掃除の時間。箒を持った明歩は窓の外を見て呟いた。


「ほんとだー! 積もるかなあ」


「粉雪っぽいから積もらなさそう」


 そこに柚葉と愛もやってくる。


「そういえばさ、今日の永ちゃんおかしくなかった?」


「永ちゃんが?」


 明歩の問に、二人が首を傾げる。


「ほら、五時間目の数学。前やったところなのにもう一度やろうとするし、言い間違い多かったし。なんか落ち着きなかったんだよね」


「そういえば、そうだったかも」


 愛が思い出すように斜め上を向く。


「あ、それ思った」


 と、机を運んでいた香澄が振り返った。


「なんか永ちゃんらしくなかったよね」


「だよね! どうしたんだろう……」


「娘さんが体調悪いとか?」


 柚葉が言う。


「それなら帰ると思う。それに、私達に言ってくると思うんだよね。なんかあったのかなあ……」


 明歩は粉雪が舞い散る空を見上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ