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21 「行きは良い良い、帰りは……」

今回はいつもより少し短いですが、キリが良かったので。

よろしくお願いします。

 他に何か聞きたいことがないのか訊ねられたけど、先生ベストエンドに必要そうなことはもうある程度聞いたから、なんとなくE本人に関することを聞いてみた。


「Eちゃんはモブディラン家で一番モブディラン家らしい外見でね。世間的には薄いとか普通とか悪口を言われてしまうけど、モブディラン家にとってEちゃんのお顔はとっても美人さんになるのよ! 美的センスが他と異なるから、Eちゃんはそれで男子からモテなくて落ち込んだりしてたこともあったけど。それでもEちゃんが前を向いてアンフルール学園の入学試験を受けるって聞いた時にはお母さん、とっても驚いたけどとっても嬉しかったんだから!」


 美的センスの違い、ね。

 それにしてもあなた方は血を疑うことのない、一般的に美しいとされる外見をされているのですが。

 もしかしてEのこの外見はいわゆる先祖返りみたいなもん?

 昔は綺麗だったっていうのが、私の代で現れました?

 頭角を現しました?


「卒業後の就職先をどうするか、もう決めてるのかい?」

「え……」


 Eが何のつもりでアンフルール学園に入学希望したのかわからないから、その辺は私もわかりません!

 何になりたかったの!? 答えてよ、E!


「国営の事務員になりたかったんだよね、姉さんは」


 そうなの?

 てゆうか国営の事務員って何?

 国が経営している会社か何かですか?


「あぁ、Eは国のお役所仕事がしたかったのか。確かにモブディラン家の家督を継ぐのは男子であるアークで、Eはどこかに嫁ぐしかなかったからなぁ。自立した考え方で偉いぞ」

「お役所勤めするならそれなりの名門校を卒業しなくてはいけないものね。アンフルール学園ならうってつけだわ。さすがEちゃん、将来を見据えて入学先を考えていたなんて偉いわぁ!」


 あぁ、行政とかそっち?

 Eって結構エリートコースとか目指していたりしたのかな。


 あとは本当に他愛もない話ばかりだった。

 多少の収穫はあったけれど、先生ベストエンドを導き出すピースとしては少し物足りない気もする。

 でもまぁ今日一日で何もかも上手くいくはずないもん。

 これはこれで良しとしますか。


 学園名物のドーナツも食べ終え、話も終わり、時間はもうすぐ夕方。

 私は学園の門が閉まってしまう前に家族に別れの挨拶を済ませて、来た道をそのまま引き返すように学園のある方へ戻って行った。

 迷子になりたくないからね。


 街並みは西洋ファンタジー、そして現代日本を少しミックスした感じだ。

 建物は完全に西洋風異世界ファンタジーのそれだけど、道ゆく人々の格好は現代的。

 ドレスやタキシード、冒険者みたいな格好で歩いている人間はまずいない。ほとんどの人が軽装で、見回りをしている騎士も鎧でガチャガチャしていない。

 シャツにズボン、その上に軽装レベルの胸当てなどの装備品を付けているだけ。腰にはさすがに剣を帯刀しているけれど。この世界では頑強な防御力より、素早さといった身のこなしや身軽さが重要みたい。

 タンク役となる人間だけね。重装備して戦闘に出るのは。

 例えばあそこの騎士二人も随分とした軽装、もうほとんど私服で歩き回っている。

 胸の騎士団バッジを付けていないと一般人と見分けが、ががが……。


「モブディラン、よく会うな」


 先生えええええ!?


「あっれぇ、もしかしてこの娘か? 最近お前の話によく出てくる地味な生徒っていうのは」

「俺の生徒に失礼なことを言うな」


 ソレイユ先生まで! なんでここに?

 ここは街中で学園内じゃありませんよ!


「どうしてこんな所にって顔をしているようだが、俺達も一応騎士団の人間だからな。仕事上、街の警備をすることがある。今日は授業もないし、一日見回りをしていた」


 ご丁寧にどうも! そうでしたね! ごもっともです! うっかりしてましたぁ!

 私は自分で確認出来ないけど、きっと顔が引き攣っていたと思う。

 だって私の顔を見てるソレイユ先生がずっとクスクス笑ってるもん。

 絶対面白い顔をしてるんだ私。

 憧れの先生の前でそんな面白い顔してますか? 面白いですか先生!?


「買い物帰りか?」

「いいえ、帰省……してました」

「そうか。ご両親は元気そうだったか? いきなりの寮生活で心身共に参るのは子供だけじゃない。今まで親元で生活していたところ、突然家を出て行くことになるんだ。心配で親が元気を無くすことも珍しくない」

「めちゃくちゃ元気でした」

「そうか、それはよかったな。精神的に強いご両親で」


 うわぁ、私……先生と普通に会話してる!

 ちゃんとやり取りしてる! 恥ずかしいけど嬉しい! 顔が自然ににやける!

 やめろ、ここでキモオタ顔を披露するんじゃない! 先生にドン引きされる!


「今から学園に戻るのか?」

「はい、もう少しで門限なので」


 そう返すと、先生は腰ポケットをまさぐって何かを探しているようだった。

 何かを探している姿も素敵です、先生!

 目当ての物があったのか、先生は少し顔を綻ばせてポケットにあった物を私に手渡す。

 何その微笑ましい顔! 可愛いです、先生!

 私はそれを無言で流れるように受け取って、じっと見つめた。

 それは、紙切れだ。

 見覚えのある地名、というか。ある場所の名前が書かれていた。


「すまないがこれをA組の委員長に渡してくれ。今度やる演習場所だ。そこでスキルを使った実戦を行なう。まだ機密事項のような物だから、今すぐモブスキルを使用してまっすぐA組の寮に向かってくれないか。俺達はまだ仕事が残っているから、終わり次第すぐに寮で具体的な演習内容の説明を委員長にする。わかったな、モブディラン」


 そうだ、色んなことがあって忘れてた。

 学園に入学して最初の大きなイベント、スキル実戦演習……。

 A組は先生達と共にこの演習場所で実戦訓練を受けている最中に、邪教集団に襲われるんだ。

 聖女覚醒候補の一人、サラの命を狙っての襲撃が……。 

「第2回アイリス異世界ファンタジー大賞」に応募してみました。

それとは全く関係ありませんが、作品へのいいね、⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価、ブクマ登録などなど。

していただければ執筆も今以上に頑張れます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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