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13 「ステルス使ってみた」

トラブルありましたが、ちゃんとしたものを再投稿しました。

 今でも瞬時に思い出せる先生の腹筋の感触! 変態だと罵られてもいい! 先生の仕上がった腹筋、いただきました! 思い出しただけで脳みそがとろけて身体中の穴という穴からこぼれ出しそう! あ、やば……これはさすがに気持ち悪すぎる!

 私ってこっちの世界に転生してからどんどん変態度が増してない? 大丈夫?

 顔が真っ赤になってるのわかるし、耳まで絶対に真っ赤になってる。熱いもん! 早く帰ってベッドの中で思う存分悶えたい! とまぁ、こんな感じで早歩きの帰宅したらそりゃ変に思う人がいてもおかしくないわよねぇ。

 ドアをバーンと開けて、ズカズカ歩き去って、ドスドス階段を駆け上がったら、そりゃモブスキルオンオフ関係なしに不審に思いますわよね。わかってるけど! でもこうでもしないと本当に頭に血が上り過ぎて鼻血が……。


「うるっせぇんだよ! 静かに帰ってこいや、ハゲ!」


 ハゲてねぇわ! って言い返したいところだけど、エドガーに構ってたら言葉の応酬が止まらなくなるのは十分わかってるから、ここは無視がベストアンサー!

 だけど純真無垢な反応へのアンサーを私は心得てなかった。


「モブディランさん? 顔が真っ赤だけど、もしかして熱があるんじゃ。ちょっと体温計ってみたら……」

「あー、ウィル……君。なんでもないから。これ急いで帰ってきてヒートアップしてるだけだから」

「なんだお前、病気か? 病気の時はおかゆがいいと聞いたことがある。おかゆは作れるのか?」


 ルーク、お前は病人に作らせて自分が食べる気なんかい。

 てゆうかなんでモブ全開の私にこんなメインキャラが群がってくるわけ?

 モブスキルオフにしてても、私って結構目立たない感じの外見だったよね?


「サラと一緒だったんじゃねぇのかよ」

「え」

「一緒に帰るはずだったんだけど、モブディランさんと話したいことがあるからって。僕達は先に帰ってたんだよ。でもモブディランさん一人で帰ってくるから。サラのこと知らないかなって」

「あー、サラならもうすぐ帰ってくるんじゃない?」


 私のこの軽い返答がいけなかった、らしい。

 確かに外はそろそろ暗くなり始めている。いくら学園の敷地内とはいえ少女が一人で帰宅するには危険、か?


「なんで一緒に帰ってこねぇんだよ! てめぇまさかサラに何かしたんじゃねぇだろうな!」

「どうしてそうなるのよ……」


 そういやエドガーは昔からサラのことが好きだっていう設定よね。そんなあからさまに心配しちゃって、こいつ見た目は半グレのくせに可愛いとこあるじゃない。別に好みのタイプってわけじゃないけど。

 でもエドガーだけじゃなくサラのことを好きなのはウィルも一緒。私の薄いリアクションに、ちょっと不信感を募らせてしまったみたい。あ、これもしかして親愛度下がった?


「サラに会わなかった、とか? それなら僕、サラを探してくるよ。モブディランさん、最後にサラに会ったのって教室?」

「大丈夫よ! だって教室でサラと一緒だったのは確かだし、その後すぐに先生が来たから。先生と一緒なら安全でしょ」

「安全とは限らねぇだろうが! もしかしたら先公がサラに何かするかもしれねぇだろ!」

「そんなことするはずないだろうがボケ! いい加減にその減らず口閉じたらどうなのよ!」


 あ、やべ。先生のこと悪く言われて頭に来たから本音で怒っちゃった。

 ほらほらエドガーがぷるぷるしながら黙っちゃったよ! こいついつも偉そうに怒鳴り散らしてるけど、実は反撃されるのにめちゃくちゃ弱いのよ! それが図星ならなおさらでクソ雑魚なんだから、こいつ!


「お前、やるな」


 ルーク、お前はもういい。喋るな。余計ややこしくなる。

 でも、まぁ、うん。私も言い過ぎた。反省してあげるから、ちょっと待ちなさい。ウィル君、サラは大丈夫だからそんな武装して出掛けようとしなくていいから待ちなさい。お前、そんな装備どこから出した。

 よく見たら最初の戦闘の時に装備するウィル専用のグローブとすね当てじゃない。もう支給されてたの?


「だから、多分先生が寮まで送ってくれるから心配しなくていいって意味でさ! ほら、先生なら自分の生徒をこんな薄暗い中、一人で帰らせようとしないでしょ? だからもうすぐしたら帰ってくるって!」

「それじゃ僕、外に出て帰ってくるの待ってるよ。みんなは待ってて」

「ブラウン、俺も行こう」

「ありがとう、ラドクリフ君!」

「ルークでいい」

「それじゃあ僕もウィルって呼んでよ!」


 あ、二人の仲が良くなった。良き良き。

 もう一人は私に言われたのが痛くて未だに悔しそうな顔で小刻みに震えてるけど、まぁ、放っておいていいでしょ。それにしても自分で言ったこととはいえ、先生と一緒に二人きりで帰宅……か。私が出来るはずもないんだけど、羨ましすぎる! てゆうかこれで先生との親愛度が高まってたらどうしよう?

 サラと先生の親愛度がMAX状態で進んでいったら、先生にとってあまり良くない展開になるんですけど?

 なんか心配になった私はエドガーのことを放っておいて、トイレに行くふりをして、モブスキルをオンにする。これでどこまで存在を消すことが出来るかわからないから、昨夜習得した『ステルス』を試しに使ってみよう。

 現段階で一体何秒間完全に姿を消すことが出来るのか。クールタイムはどれくらいなのか。それを知っておくのも大事よね。今後必要になってくるスキルだろうし。

 ステータスウィンドウ、スキル『ステルス』、使用!


「……」


 別段、私自身が「消えた!」って感覚はない。トイレの手洗い場にある鏡を見てみると、おお! 鏡で姿を確認できない! 完全に消えてる! これ光学迷彩がうんたらかんたらってやつ? すごい! 私からも見えないんだ!

 完全に透明人間じゃーん! ん? なんか視界の端っこが気になる。何これ? 数字? カウントダウン?

 よく見ると残り30秒、みたいな数字が。ははーん、これが使用時間ね。今のところ私がステルスを使える時間は40秒が限界ってことか。

 そうとわかれば時間内にサラと先生を確認しないと!

 私は急ぎながらも出来るだけ物音に気を付ける。一応スキル説明には足音も消える、みたいなことが書いてあったけど。それは自分の足音ってだけで、何かに当たった時の物音とかはしっかりするってことでしょ?

 勘の鋭いエドガーに気付かれないように玄関へ行かないと。

 他のクラスメイトがそれぞれ夕食の準備やら雑談やらしている中、どうやらエドガーもウィルを追いかけるように玄関先へ向かったみたい。ドアを開けてすぐ目の前にいたら、ちょっとやりにくいけど大丈夫かな。

 そっと玄関を開けると、三人は少し先で立っていた。

 私は男性陣がいる場所を迂回するように避けて、もう少し先の方が見えるように歩いていく。

 すると舗装された通学路を歩く二人組の影が見えた。街灯でその姿が照らされて、その二人組がサラと先生だということが発覚して私はちょっと泣きそうになった。

 なんていうか、ゲームのヒロインに対して嫉妬してる私って相当虚しくないですか?

 相手はヒロインですよ? 一応この世界、というかこの学園で一番の美少女ですよ?

 そして私はただののっぺりした顔をした平凡以下の存在であるモブですよ?

 モブである私が学園一の美少女ヒロインと肩を並べられるわけがないじゃない。

 わかってるのに、先生の隣を取られた悔しさだけはちゃんとある。

 モブは心地いいって思ったけど、先生がこうやってヒロインと仲良く一緒に並んで歩く姿を生で見る羽目になるのは、さすがに何かの罰ゲームみたいで気が重い……。

 ステルスのスキル効果時間が過ぎていくのも、どうでも良くなってくる。

 サラは玄関先で待っていた三人と合流。

 先生も生徒をちゃんと見送って「また明日」と言って帰っていく。

 両手をズボンのポケットに突っ込んで、とぼとぼと歩いて行く姿がなんか……かっこ可愛い。

 私は早朝のように木の陰からそっと先生を見つめるだけ。

 自分に酔っているって思われてもいい。私はこうしているのが一番お似合いなんだ。

 大好きな先生を遠くで見守るって決めたのは私自身なんだから。こうやって、かっこいい先生を、その姿が見えなくなるまで、誰にも気付かれることなく、ずっと拝み倒す!


「うへへ……」


 思わず変な笑い声が漏れる。

 陰気で根暗な私にはこれでいいのよ、これで。


「好きな人を見つめるのは、楽しいねぇ」

「……っ!?」


 突然背後から声がして、私は飛び上がるくらいびっくりする。

 あまりに驚き過ぎて本当に口から心臓どころか、あらゆる臓器が飛び出してきそうで危ないところだった。

 私は手で胸を押さえると、心臓の鼓動が振動になって伝わるのかってくらい高鳴っているのを確認する。それくらい驚いた。この、声……は……。


「本当に、素敵なスキルだねぇ! ね、Eちゃん!」


 振り向くとそこには、亜麻色の髪を三つ編みにした少女が一人。

 好奇心旺盛なその笑顔。

 にっこり笑った時に見える八重歯は、八重歯というよりむしろ牙。

 瞳は大きく、見る人によっては狂気的に感じられる眼差し。

 サラとはまた少し違うぶりっ子な仕草をするこの少女こそ……。


「どうして……? ゾフィ・ブラッドリーが、ここに……?」


 私はあまりに突然な展開に、思わずフルネームで呼んでしまった。

よろしくお願いします!!

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