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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第15章 清洲城の変

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テンプレ反応は大事だよ


「ふぅ、ふぅ、これは中々……」


 天守の階段を登り切り、息も絶え絶えな朝比奈さんだった。だからエレベーター(魔法の絨毯)を使えば良かったのにー。三ちゃんと可成君が断固反対したのよねー。


『そりゃそうでしょう。「今川の宿老をエレベーターで暗殺!」なんて事態になったら笑えませんし』


 それはエレベーターの中でぶっすーっとするわけじゃなくて、エレベーターが大気圏まで急上昇してって意味よね? 調整済みだから安心安全だというのに……。


『あなたの「安心安全」ほど当てにならないものはありません』


 解せぬ。

 私ほど究極完璧安心安全ガールはいないというのに。解せぬ。


「ほぉ! これは絶景ですなぁ!」


 呼吸も落ち着いたのか朝比奈さんが窓に近づき、天守から伊勢湾を望む絶景に感嘆した。やはりこの時代の人間に『天守からの絶景!』を見せるのは効くわよね。


『何でこういちいち腹黒いのか』


 これのどこが腹黒いというのか。交渉前に絶景を見せてオープンマインドさせているだけだというのに。


『そういうところです』


 こういうところらしい。


「いや、遠くからでも巨大な櫓だとは思っておりましたが……実際に登ってみるとまた格別ですなぁ!」


 少年のようにキラキラと目を輝かせる朝比奈さん。まぁ現代人でも天守に登ったらテンション爆上がりだものね。戦国時代ならなおのこと。


 そんな彼の反応にドヤ顔をしながら三ちゃんが地平線を指差した。


「朝比奈殿。海の果てをご覧くだされ」


「海、で御座いますか?」


「あの地平線は、少し丸くなっておりますでしょう?」


「……はぁはぁ、よく見てみれば、少し曲がっているように見えますな」


「南蛮人によると、大地は巨大なる丸であり、ひたすら真っ直ぐ進むとまたこの場所に戻ってくるそうなのです」


「ははぁ、真っ直ぐ進むと、この場所に?」


 あまりよく分かっていなさそうな朝比奈さんだった。まぁいきなりそんな話をされてもね。


 ここは妻としてサポートしましょう。というわけで不思議な力を使い、『現代』の地球儀を取りだした。


「ほぉ、これが大地であると?」


「南蛮では地球と呼ばれていますね」


「はぁ、『ちきゅう』でありますか……」


 地球儀の中の小さな島国を指差す私。


「これが日之本ですね」


「なんと! この小さな島が日之本であると!?」


 テンプレな反応をしてくれる朝比奈さんだった。グッジョブ。


『自分の知識をひけらかして……かなりのクズですね』


 クズってあんた。もうちょっとこう言い方というものはないのですか?


『……自分で発見したわけでもない未来の知識を我が物顔で教え、感心されることによって、まるで自分が凄い人間であるかのように錯覚している悲しい存在?』


 ぐはぁ!?





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