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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第15章 清洲城の変

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日本特大悪女


「天下取りにはまず銭ですな」


 政元に案内されて、(前に魔法でちょちょいと作った)大坂城天守へ。

 見せてもらったのは大坂周辺の税収一覧だ。


「あらまぁ、この短期間にずいぶんと詳細なまとめが」


「大坂本願寺の資料を接収できましたので。さほど時間は掛かりませんでした」


 あいつら寄進を集めるだけじゃなく領主の真似事までしていたんかい。


 なんて酷い生臭坊主でしょう! これは必ず滅ぼさなければ! おっともう滅ぼしていたわね! 超☆絶☆美少女☆帰蝶ちゃんの手によって!


『一人ボケツッコミって楽しいんですか?』


 プリちゃんの辛辣なツッコミは悲しくなりますね。


 それはともかく収益を確認。……ほうほう、大坂の周辺の税収なんだから当たり前とはいえ、かなり期待できそうね?


 私が期待に目を銭にしていると、政元はふるふると首を横に振った。


「ですが、収益の大部分は淀川から得られる関銭(通行税)でしたので。淀川が堺へと流路を変えたので、かつてほどの収益は出ないかと」


「あー、それもそうですね」


 まったく淀川の流路を変えるとは傍迷惑な存在もいたものである。


『はいはい』


 せっかくボケたんだから突っ込んでくれません?


「さすがに堺の横と大阪の横に運河を作ると水が足りないから……やはり大坂には交易以外の発展を目指してもらいましょうか」


 まぁ、大坂の人口が増えればその消費だけでかなりの経済が動きそうだけど……。今はその前段階だからね。じっくりとやっていきましょう。


「ははっ、すでに土地を確保するために農地の移転を開始しております。大坂の民は吉兆様のご威光に感服し、作業は順調に進んでおります」


「ほぉほぉ。さすが仕事が早い」


「恐縮です。そして、空いた大坂城周辺でありますが……堺や兵庫と競って貿易港となるのは難しいので、ここは学術都市として整備するのと、吉兆教の拠点として門前町と宿場を発展させていくのがよろしいかと」


「ふんふん。学園都市ができれば文官も大量生産できますね。吉兆教の拠点にはできますか?」


「大坂の地には寺社関係の職に就いていた者が数多くいますからな。それらをそのまま雇えば、かなり巨大な組織にできるかと」


「なるほど。……戦国スタンプラリーの新たなる拠点として整備するなら、それなりの目玉が欲しいところですね」


 友ヶ島や堺、雑賀、根来といった吉兆教の名所巡り(全てめぐると特典あり)は現在でも数が多すぎるくらいだし。ここで大坂を増やすならやはりそれなりの利点がないと。


「さすがは帰蝶様。これだけのやり取りでそこまで察していただけるとは。……いやはや、一度(しお)れたこの頭では妙案が思い浮かびませんでなぁ。ここは帰蝶様にご相談いたしたく」


 隙あらばよいしょよいしょしてくる政元だった。あなた一応最高権力者じゃなかったの?


『まぁ、名目上は将軍をよいしょよいしょしなければいけない立場ですし。あの頃はまだ日野富子とかいましたし』


 お、でたな日本三大悪女の一人。何した人かは知らないけど。


『日野富子。八代将軍足利義政の御台所(正室)ですね。自分の子供を次の将軍に据えようとして応仁の乱を起こしたとか、応仁の乱では東軍と西軍双方に銭を貸し出して戦乱を長引かせたなど忌み嫌われていましたが……実はそうじゃなかったんじゃないかとも言われていますね』


 あー、よくある歴史上の人物再評価ね。


『ただし、そこにいる細川政元と組んでクーデターを実施、将軍のすげ替えをしたのは事実ですね』


 ガチの悪女ですやん……。


『まぁ、あなたが登場したから日本三大悪女も意味がなくなるでしょうけど』


 まるで私が三代悪女を軽々と超える大悪女みたいに言うの、やめてもらえません?




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