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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第15章 清洲城の変

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ここで『三ちゃんとデートしたかったのよ!』と言えないから駄目なのです


 まぁ、釣れたのだからこれで良し。とりあえず空間収納(ストレージ)に突っ込んでおきましょう。


 ちなみに空間収納(ストレージ)の中なら劣化したりしないので安心だ。……理屈? 細かいことは気にするな。


 あとはついでにマグロも釣って――っと。


 というわけで。マグロも釣れたのでとっとと那古野城に帰ることにした私と三ちゃんであった。


「いやわしが付いてきた意味は……?」


 三ちゃんの呟きは聞こえなかった。不思議なこともあるものだ。







「マグロマグロ~、マグロはデカいぞ美味しいぞ~♪」


 即興で作った歌を歌いながらマグロ料理と洒落込んだ私である。


『もはや音波攻撃』


 音痴からスケールアップ(?)してしまった。解せぬ。


 さて、守護とやらに食べさせる前にいくつかマグロ料理を作り、どれを出すかの相談……という体で、三ちゃんに手料理を食わせることにした私である。正妻候補(ライバル)は信勝君といい感じになりそうだけど、ここは油断大敵、念のために胃袋を掴んでおかないとね。


 というか、元々は三ちゃんの食生活改善を志していたのではなかったかしら私?


『思い出すのがおそーい』


≪いやむしろ、思い出したのが奇蹟ではないか?≫


「帰蝶はすぐにやるべきことを忘れるからねー」


 プリちゃん・玉龍・師匠から口々に突っ込まれてしまった。玉龍と師匠はまだいなかったじゃないの。


 ま、それはともかく魚料理である。肉と魚の違いがあるとはいえ、タンパク質はタンパク質。畜産で増やすお肉は軍隊に優先配備したいし、庶民向けには漁獲量を増やしたいところ。


 となると漁船の大型化に、釣り糸に――、いやそれはあとにしましょうか。まずはマグロである。マグロ料理である。三ちゃんの胃袋をアイアンクローである。


『あなたがアイアンクローしたら胃袋が破裂しますが?』


 いくら私でも素手で胃袋破裂は――、……まぁ、いけないことはないけれど。できるのとやらないのとでは海よりも高く山よりも深い違いがあるのだ。


『また定番のボケを……』


 呆れる前に突っ込んでいただきたい。


『そもそも、この時代のマグロはシビと呼ばれていまして。特に武士からは『死日(シビ)』と聞こえて不吉だと忌み嫌われていたんですよね。あと、単純に足が速かったので保存技術が未熟な時代は不味い魚扱いされていましたし』


 ははーん、迷信と味のダブルパンチってわけね? だがしかし問題ナッシング! マグロを食っても死にやしないし私の保存は完璧なのだから!


空間収納(ストレージ)にテキトーに突っ込んだだけなのに「完璧」とか言われても……』


 完璧に新鮮な状態で保存されているのだからいいじゃない。


 でもまぁ、一応三ちゃんに確認しておきましょうか。これはマグロでシビなのよー?


「む、シビは死日に通じて――いや、帰蝶相手に迷信を騙ったところで是非も無しか」


 迷信を否定する聡明な女であると言いたいらしい。照れるぜ。


『むしろ迷信の方が裸足で逃げ出しますし……』


 どういうことやねん。


『あと、あなたは食品を粗末にすると簡単にキレますし。信長さんも回避したのでは?』


 キレるとは失礼な。那古野城周辺の稲に放火した清洲三人衆の一人を(鳥居半四郎さんを使って)バキューンと狙撃したことがあるくらいじゃないの。


『稲への放火はいけませんが、だからといって頭を吹き飛ばさなくても……』


 お米様を焼くのは極刑に値するからね、仕方ないね。


『そういうところです』


 こういうところらしい。




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― 新着の感想 ―
[一言] 〉お米様を焼くのは極刑に値する その通り!!(# ゜Д゜)
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