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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第15章 清洲城の変

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のちの梅田ダンジョンである(嘘)


 大阪にもダンジョンを作ってしまいましょうか。


『気軽に日本を魔境にするな』


 魔境って。前の世界ではありふれたものだったのだから別にいいのでは?


『よくないですね』


 もう淀城の地下に作ってしまったのだから、あと2~3個作っても許されるのでは?


『許されないですね』


 ダンジョンを作ってしまえば魔物の肉やら地下での農耕で食糧問題も一気に解決なんですが?


『それとこれとは話が別ですね』


 なんとも頑固なプリちゃんであった。


『あなたがちゃらんぽらんなだけです』


 ちゃらんぽらんって。


 まぁ、プリちゃんは「大阪の民を飢えから救うためなんです!」とごり押しすれば何とか説得できると思う……できるかな? できるといいな。できると信じてる。

 信じる私はプリちゃんに並ぶ難敵、師匠の説得を開始した。


「師匠ー、ちょっとダンジョン作っていいですか?」


「えー? ……うん、利益を得る人が命を賭けるなら、いいよ」


 つまり、食料として魔物の肉を得るにしても、冒険者(みたいな存在)が命だけで狩るようにしなさいと? 私としては牛っぽい魔物とか豚っぽい魔物で畜産みたいなことをしたいのだけど……。ま、師匠がそう言うのなら、そうしましょうか。


 というか案外簡単に許可をしてくれたわね? 師匠を説得するために色々と口八丁手八丁を準備したのだけど。


「……大坂というか本願寺地下の魔力スポット(龍穴)はずいぶんと『澱んで』いるからね。ここは澱んだ魔力を魔物に変換して、消費してしまった方がいいんだよね」


 あー、だから「命を賭けるなら」と。澱んだ魔力から魔物を産むと凶暴になるからね。それを冒険者(仮)に狩らせようと。


 と、なぜか師匠が深いため息をつく。


「……ダンジョンを作ると言うから、てっきり澱んだ魔力をどうにかしようと考えているんだと思っていたのになぁ。やっと力ある者の責任を理解してきたと感心していたのになぁ」


 ふーやれやれと腰に手を当てる師匠だった。マジの呆れをするの、やめてもらえません?






 破戒僧が乱痴気騒ぎをしていたので龍穴からの魔力の流れが滞り、澱んでしまったのだ。というとこにしておきましょう。


『あなた何でもかんでも本願寺のせいにしすぎでは?』


 いやこれは実際そうなのでは? ちゃんとした僧侶がちゃんとした修行を積んでいれば(たとえ魔法や魔力を理解していなかったとしても)魔力が澱むようななことにはならなかったのだから。


 いや、前の法主様は立派な人でちゃんと修行を積んでいたみたいだけど……一人が真面目でも他の大部分がアレだと、ねぇ?


 しかもここは淀川のほとり。澱んだ気が京都から川を伝って流れ込んでくる場所。下手に扱ってはしっぺ返しが来てしまうけれど、きちんと扱えば相応の見返りが期待できる。ここを本願寺の本拠地として定めた人はきっとその辺を理解していたのでしょう。


 さて。ダンジョンを作るならどこがいいかというと……。やはり本願寺の地下と淀川の中間あたりがいいわよね。そうすればどちらからの澱んだ気も対処できるし。


 現代で言えば大阪梅田。


 そう、地下ダンジョン。

 梅田ダンジョン、爆誕である。


『そういうところです』


 こういうところらしい。解せぬ。





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