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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第12章 淀城の戦い

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城(ダンジョン)


 ――お城をLet'sビルディング!


『また思いつきで行動しようとする……』


 思いつきじゃありませーん。前々から計画していた淀城建築計画を再始動するだけでーす。


『……この時代にはもう淀城がありますね。別の場所に。具体的に言えばもう少し京都に近いところに』


 無問題! お城の名前なんて同じのがいっぱいあるというか、現存十二天守ですら被っているし! 今あるヤツは山城(やましろ)淀城とでも名乗らせればいいのだ!


『あとから作るくせに、何という傲慢』


 美少女は傲慢であるくらいが可愛らしいと言いたいらしい。照れるぜ。


 さて。そうと決まれば築城である。まずは淀城予定地へと転移。淀川から新淀川運河へと分岐する場所ね。ローマ字の『Y』をひっくり返したような場所。旧淀川(水は流れていない)と新淀川運河(堺へと繋がる)の間の三角形の地形に城を建てることにする。三角州というか、扇状地というか、中州というか。


 一向一揆は(真偽はともかく)20万人を動員したという記録もあるので、いざ籠城戦となったら城の周りを囲まれてしまうはず。そりゃあもう全盛期の織田や豊臣を超える感じで。明軍に取り囲まれた倭城みたいな感じで。普通の補給はできなくなるでしょう。


 でも、問題はない。

 私が転移魔法で食料弾薬を運び込んでもいいし、新淀川と地下水路で繋げて河童さんに運び込んでもらってもいいからだ。


 ただ、私って結構そこら中に出張(?)するし、河童さんに運んでもらうと荷物が濡れちゃうわよね。それは最終手段にするとして、淀城自体に物資をため込めるようにしましょうか。淀城はあと十年は戦える!


『数ヶ月で落城フラグ』


 解せぬ。


 解せぬ評価を覆すため、真面目にやりましょうか。

 空間収納(ストレージ)から取り出したるは――迷宮王の指輪(アステロペイテス)。ダンジョンを作成できるアイテムで、かつて狂った魔王をボコって入手したものだ。


『また気軽に神代魔導具(アーティファクト)を使おうとする……』


≪魔王をボコるって。また気軽に言うものじゃな……≫


 なぜ呆れられるのだろうか? 世界を救った結果ゲットしたアイテムだというのに。


 首をかしげつつ、指輪を装着してダンジョン作成。設定としては――地下5階層くらいでいいかしら? 魔物は出ない設定にしてしまえば安心安全である。


 あとは鉱山を作って鉄やら鉛やらを発掘させましょうか。まぁ人員がいないからそこまで大規模にはできないけど。消耗品分くらいは補充できるでしょう。


≪……プリよ。この『だんじょん』とやらを量産すれば『おーすとらりあ』を制圧しなくてもよくなるのではないか?≫


『しーっ、気づいてないのだから、黙っていましょう。世界のバランスが崩れます』


≪肝心なところでポンコツじゃなぁ……≫


 コソコソ話をしているプリちゃんと玉龍がなぜか同情を込めた目で私を見てきた。解せぬ。


 そんなことをしている間にダンジョンは完成。地上階には普通の城を建てる予定。

 地下一階は何にもないスペースとして、米やら武器やらを貯蔵しておく。もちろん不思議な力でいい感じの温度湿度に保つ感じで。


 地下二階には湖を準備。飲料水の確保と、水産物もゲットできるって寸法だ。あとは新淀川に繋いで河童さんが出入りできるようにする。


 地下三階は草原。ここでは畜産をやってもらいましょうか。この前堺で買った――じゃなくて、人身売買から保護した女性に畜産の知識があり、美濃ではすでに畜産を始めているので、その子に任せましょうか。


 もちろん、ダンジョンなので地下なのに明るく、草も育つし動物も健康に成長することができる。不思議だね。細かいことは気にするな。


 地下四階は畑。新鮮な野菜をゲットだぜ。もちろんここも地下なのに明るい。細かいことは以下略な。


 そして地下五階は鉱山。都合よく鉄鉱石と鉛が産出できるぜ。細か以下略。


 う~ん、我ながらいい感じね。何が凄いってダンジョンは(人の手では)破壊できないから、地下にダンジョンがあれば、たとえば武田の金堀衆が穴を掘ってきてもガッキーンッとはじき返せるって寸法よ!


『そのショボい擬音はどうにかならないんですか?』


 ガッキーンとかチュドーンとかめっちゃ格好いいと思うのに。解せぬ。




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