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【2巻 4/15 発売!】信長の嫁、はじめました ~ポンコツ魔女の戦国内政伝~【1,200万PV】【受賞&書籍化】  作者: 九條葉月
第12章 淀城の戦い

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堀を掘る


 和睦をしたのだから、堺はしばらく大丈夫でしょう。


 なぁんて、信じるほど私は甘くない。

 和睦なんて都合のいいときに破られるものなのだ。私だってそうする。武田信玄だってそうする。なんだか武田信玄と友達になれそうね、私。


『世界が滅びるから止めなさい』


 友人関係に釘を刺されてしまった。どうやら私が友達を増やすことに嫉妬しているらしい。


『ぶん殴ってもいいですか?』


 あいすみません。


 それはともかく、和睦が破られることを前提として、堺の防備を強化しましょうか。


 一向一揆は鉄砲の銃撃に怯むことなく突撃を続け、堺の堀を仲間の死体で埋め、その死体の上を渡って土塀に取り付いたらしい。


 なら、まずは堀を強化しましょうか。


 紹鴎さんたちと相談しながら、堺の周りに土地を確保。堀の幅は鉄砲の弾が届く程度の長さ。


 火縄銃の有効射程については諸説あるのだけど、威力命中精度が絶大となる50mではすぐに突破・突入されてしまう。ここは江戸城リスペクトで100mくらい幅があれば十分でしょう。200メートルだとさすがに命中精度や威力がアレだし。普段渡るのにも苦労するし。


≪プリよ。100めーとるとはどのくらいじゃ?≫


『あそこからあの辺までくらいですね』


≪……あんな幅の堀を……。此奴は気軽に地形を変えすぎではないか?≫


『今さらですね』


≪……もう帰蝶のトンチキに慣れてしまっておる……≫


 トンチキってなんやねん、トンチキって。解せぬ。


 まぁとにかく土地の確保ができるのを待ってからゴーレムで堀を掘る。堀の形にはいくつか種類があって、断面がV字だと薬研(やげん)掘、丸いのが毛抜堀、箱のように四角いのが箱堀と呼ばれている。


 今回は箱堀でいきましょうか。作るのに一番手間が掛かるけど、堀の中の面積が多いから死体をいっぱい積み重ねても中々埋まらないし、どうせ穴を掘るのはゴーレムだものね。


『死体をいっぱい積み重ねる……』


≪ゴーレムに重労働……≫


『鬼畜』


≪鬼畜≫


 解せぬ。

 というか仲間の死体を踏みつけて進んでくるのは一向一揆なのだから、彼らこそが鬼畜なのではなかろうか?


 あとは水か。運河から引いちゃうと運河の水量が少なくなるし、海から引くと潮の満ち引きで堀の水量が変わってくる。


 …………。


 よし、ここは転移魔法の術式を埋め込んだ魔石を埋めちゃいましょうか。これを使えば海から無限に水が転移してくるって寸法よ。


≪無限に水……≫


『堺水没フラグ』


≪此奴ならやるじゃろうな≫


『いくら堺が東洋のベネチアと呼ばれていたからと言って、そこまで再現しなくても』


 失敗前提で話をするの、止めていただけません?




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